定跡

8五飛を指してみる本

8五飛を指してみる本 (最強将棋塾)
著者 :森下 卓
出版社:河出書房新社
出版日:2001-11-01
価格 :¥402(2024/08/31 18:41時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『8五飛戦法』を著した森下の、「指してみる本」。激しい変化が多い横歩取りには、次の一手形式で図面が豊富というのは意外と合っているのかもしれない。
初級者が8五飛を指した時に困る△8五飛▲9六角の変化にかなり筆を入れてくれている。どの本でも書かれている変化なのだが、級位者はこうやって少しずつ立ち止まりながら解説してくれた方がわかりがいいだろう。もう白砂も▲9六角は怖くないぞ(笑)。

やらんけど(爆)。

東大将棋シリーズとは対極をなすようなシリーズだが、どちらも繁栄していってほしい。どちらの本も、将棋ファンは必要としているのだから。

作成日:2001.11.20 
横歩取り

東大将棋ブックス矢倉道場 第2巻 続・4六銀

矢倉道場 第2巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2001-11-01
価格 :¥44(2024/08/31 18:41時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

第1巻は▲5七角と一手待つ形だったが、今度は待たずに▲2五形と開戦する形を解説している。現在のプロの主流ではないがこれも難しい展開になり、結論はほぼ優劣不明かやや後手のり。これくらいの差なら、アマチュアなら知ってたモン勝ちである。矢倉党の有段者には必携の書といえよう。

とはいえ、あいかわらずツメ込み構成は変わっていないので、読むのがひどく疲れる。有段者必携とは言ったが、現実的には有段者「のみ」必携、初段以下は読むだけムダな本とも言える。
定跡の難しさ(奥深さ、ではない(笑))を知りたい人なら、怖いもの見たさで読んでみるのもいいかもしれない。1,200円は棋書にしてはそんなに高くない値段ではあるが、それでもたぶん後悔すると思う(笑)。

作成日:2001.11.15 
矢倉

振り飛車奇襲戦法 1

振り飛車奇襲戦法 1 (将棋必勝シリーズ)
著者 :小林 健二
出版社:創元社
出版日:2001-10-01
価格 :¥340(2024/08/31 18:41時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

著者が小林健二というだけでいやーな予感がしたのだが(笑)、それが当たっちゃうからイヤになる(爆)。
石田流、ヒラメ、力戦中飛車、立石流という、まぁありがちな変態戦法を紹介している。変化の底もそんなに深くない。というか浅い。これどっかで見たぞ、ってことしか書いていない。

……頼むよホントに……。

まぁ、変態戦法をおなかいっぱい語れるようなプロがいるとは思えないけど(笑)、それにしても、なんかやっつけ仕事感が漂っていてイヤだ。だいたい、これらの戦法は過去さんざん語られているはず。それを、既存の変化をなぞるだけでただ出すというのはよく判らない。これはもう著者がどうこうではなくて、本を作る姿勢の問題かもしれない。
まぁ、もともと創元社の本にそこまで期待はしていないんだけど。あくまでも入門狙いの本づくりを心がけている感じがするので。それにしてもさみしい作りだ。
白砂は図書館で読んだのだが、30分くらいで読めた。そのていどの内容である。買うことはない。

作成日:2001.10.10 
奇襲・変態戦法

東大将棋ブックス矢倉道場 第1巻 4六銀

矢倉道場 第1巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2001-09-01
価格 :¥100(2024/08/31 18:41時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

先手4六銀戦法(4六銀-3七形の形)vs森内流△9五歩、先手が1八香型で、そこから一手▲5七角と待つ形だけを解説している。ここまで特化した形を一冊の本で解説するというのはなかなかの冒険だ。
さらに言うと、図面がいっぱい、変化手順がいっぱい、しかし解説が少し、という東大将棋ブックスならではの構成。ようするに、棋譜を示されて理解できる人にとっては盤駒なしでも読める便利な本になるが、そうでない人にとっては手順の解説の中途半端な難しすぎる本になるということである。これをどうとらえるかは難しいところだが、アマ有段者にとって知りたい情報満載の本が出た、という事実を素直に喜びたい。

将棋ソフト『東大将棋』シリーズと提携するという異色の試みだが、個人的にはその設定はあってもなくてもいっしょだと思う(笑)。もう少し構成を工夫すれば名著になったと思うのだが、構成に時間をかけるより、情報を詰め込んでいろんな形の定跡をいっぱい紹介しようというハラづもりなのだろう。それはそれで一つの方向性である。
初段前後くらいまでの人は触らない方がいい。矢倉と定跡書が嫌いになっていくだけだ。

作成日:2001.09.10 
矢倉

実戦居飛車穴熊戦法 必殺!振り飛車破り

実戦居飛車穴熊戦法: 必殺振り飛車破り (将棋必勝シリーズ)
著者 :田中 寅彦
出版社:創元社
出版日:2001-05-01
価格 :¥1(2024/08/31 18:32時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

田中寅彦はいったい何冊のイビアナ本を書いたんだろう?
そして、その中の全部の変化をあわせると、一体何冊分の本になるんだろう?
……というくらい、進歩してません、この人の本は(笑)。

本書でまずすごいなと思ったのは、藤井システムを解説していないこと。
「私は藤井竜王と公式対局を戦っていないので、秘策を披露するわけにはいかない」からだそうだ。

……ふざけんなよコラ(笑)

なんじゃそりゃあっ! って感じの理由である。で、居飛車穴熊に簡単に組ませて、そのまま暴れて居飛車穴熊よし、解説終了、である。をいをい……。
初級者中級者向け、ということだろうから(これで有段者向けだったらブン殴る)、ある程度の「作った手順」は仕方ないかなーとも思う。それにしても、もう少しなんとかなんなかったのかな。

もともと、白砂は初級者が穴熊を組むことに反対なのだ。
いや、ずるいとかそういうんじゃなくてね(笑)。
穴熊の場合、主導権は振り飛車にある。正確に言うと、振り飛車側が穴熊に組ませないようにちょっかいを出していく将棋になる。つまり、居飛車からすると対応型の将棋になってしまう。

初級者に「対応」はまだ無理でしょう。

つまり、穴熊っていうのは意外と上級者向けの戦法だと思うのだ。
なので、穴熊の解説をこのていどしかしない本書の意義がよく判らない。

作成日:2001.07.20 
穴熊
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