定跡

スーパー四間飛車

スーパー四間飛車
著者 :小林 健二
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1993-07-01
価格 :¥498(2024/08/31 18:32時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

居飛車穴熊が大流行していたころに出版された本書は、振り飛車党待望の書だった。綿密な研究に基づいて作られた穴熊破りの定跡は、我々アマチュアのみならずプロにも大きな衝撃を与えた。小林八段自身、これでA級に昇ったといっても過言ではないだろう。
また、本書で使用している「上下図面2枚中段のみ文章」という構成は、豊富な図面と詳細な解説を詰め込むにはぴったりの形式だったのだと思う。後に出た、やっぱり指し手詰め込み型の『角換わり腰掛け銀研究』がその構成をそっくり踏襲したことを見てもそれは明らかである。

内容は正統派の▲5六銀型で、端攻めをまじえ居飛車穴熊を堂々と破っていく。△1四歩と受けられて端攻めが難しい場合は▲6九飛から地下鉄飛車の筋もある。
そのほか、▲4八玉のままで▲1七桂と跳ねる藤井システムの原型のような形や、端角戦法、浮き飛車型など、たいていの居飛車穴熊対策が網羅されている。

実は左美濃にも触れてはいるのだが、個人的にはなにしろ冒頭からの対居飛車穴熊がすごすぎて印象が薄い(笑)。

藤井システムの先駆けともいえる本書の指し方は、アマ初段前後でも十分指しこなせると思う。ぜひとも一読してみてほしい。

作成日:2001.07.20 
穴熊

雁木でガンガン!!

雁木でガンガン: 破壊力抜群の痛快必殺戦法 (森内優駿流棋本ブックス)
著者 :小暮 克洋
出版社:主婦と生活社
出版日:1999-10-01
価格 :¥522(2024/09/01 06:56時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

雁木戦法はアマチュアなのでそこそこ見かけるが、その定跡本となると数えるほどしかない。本書はその珍しい雁木本の一冊である。

内容はとにかく雁木有利で貫かれており(笑)、どこに穴があるのかはわからないが非常にウソ臭い(爆)。とはいうものの、実戦で何度か指せば「こんなはずじゃなかった」と気づくのだろうが、指さない人間がさらっと読んでいるだけなのでちょっと突っ込んだコメントはできない。もうしわけない。
とはいえ、雁木特有の攻めの手筋や手厚さについてよく書き込まれており、定跡書としてではなく手筋解説書として読めば効果は高いと思う。ようは「この通りに指して雁木必勝」なのではなく、「この形になればこの手筋が利く」というていどに話半分に聞けということである(笑)。

けなしてばかりいるようだが、このシリーズ共通の「将棋の面白さ」が良く出ているので、得意戦法がなくて困っているような人は一度指してみるのもいいだろう。雁木そのものがマイナー戦法なので、そこそこハマってくれそうだ。

作成日:2001.07.20 
その他の居飛車

現代矢倉の闘い

現代矢倉の闘い (未来の定跡)
著者 :森下 卓
出版社:河出書房新社
出版日:1999-08-01
価格 :¥1(2024/08/31 21:12時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『現代矢倉の思想』の続編。▲4六銀▲3七桂戦法と森内流を詳解している。

特に森内流は現代矢倉の流れを変えたとまで言われる形で、これは矢倉党なら絶対に知っておかなければいけない。
巻末のインタビューも面白く読めた。森下の人柄が出た良書と思う。

作成日:2001.07.20 
矢倉

横歩取り中原流

横歩取り中原流: 必殺陣第二弾 後手5一金型
著者 :中原 誠
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:1995-04-01
価格 :¥22(2024/09/01 07:46時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

現在大流行中の「中座飛車」のルーツのひとつ(もうひとつは内藤流空中戦法)がこの戦形である。

現在は中座飛車にその地位を譲った感はあるが、それでも中座飛車の下敷きになっていることは間違いない。できれば押さえておきたい一冊だろう。

作成日:2001.07.20 
横歩取り

角頭歩戦法

角頭歩戦法 (マン・ツー・マン・ブックス 将棋奇襲 1)
著者 :米長 邦雄
出版社:山海堂
出版日:1993-08-01
価格 :¥497(2024/09/01 14:20時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

米長邦雄著(たぶんホントに書いてはいないと思う)の奇襲戦法シリーズ第1弾。

▲7六歩△3四歩▲8六歩という仰天の出だしから、飛車を6筋に回って軽くさばく戦法である。7七桂戦法と似ている形だが、7七桂戦法は6筋の歩は位と考えるので交換はしない。角頭歩戦法はあくまでも軽いさばきが身上の戦法である。
とにかく図面が多いのがこのシリーズの特徴で、ほぼ2手ずつ、ときには1手ごとに図面が入る。1冊まるごと図面だらけである。
これをうざったいと感じるか盤駒なしで読めるのでラクだと考えるかは人それぞれだろうが、棋書を盤駒とともに読んだことのない私には非常に読みやすかった。

都合のいい指し手に終始する場面もなくはないし、ひどい時には実戦譜を1局紹介しただけで「……よって先手よし」となっている場合もあるが、まぁ仕方がないだろう。それよりもコンセプトを伝えることに重点が置かれているので、形を覚えればそれで十分である。

指してみるのも面白いかもしれないが、しょせんは奇襲戦法なので高段者には通用しないと思った方がいい。

作成日:2001.07.20 
奇襲・変態戦法
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