定跡

塚田スペシャル物語

塚田スペシャル物語
著者 :塚田 泰明
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:1989-02-01
価格 :¥93(2024/08/31 19:50時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

 言わずと知れた「塚田スペシャル」。本書は、その本家である塚田八段が自ら著した本である。
 もうすでに古い戦形と言えるかもしれないが、だからこそ、初段以下の居飛車党には読んでほしい。相掛りの基本的な変化が詳解されている。

 突然だが、この本と『中原流相がかり』は実は私のものではなく、塚本から借りたものである。
 私の場合、先手なら▲7六歩、後手なら△3二金と指す手は決まっているのだが(笑うな)、▲7六歩に△8四歩とされると困る、という話を夏合宿の時に塚本にした。そうしたら「そんなの▲2六歩に決まってるじゃないですか」「白砂さんは相掛りみたいな薄い玉の将棋合ってますって」というので、入門書として借りたのである。

 居飛車素人が一から覚えた経験から言わせてもらえば、非常に役に立った。
 過去の戦法なので現在では(塚田スペシャルは)役には立たないが、相掛りの入門書としては自信を持って薦められる一冊である。
 個人的なことで申し訳ないが、塚本にはこの場を借りて礼を言っておく。
 ありがとう。

作成日:2001.07.20 
相掛かり・角換わり

超急戦!!殺しのテクニック

超急戦殺しのテクニック (塚田泰明の速攻将棋)
著者 :横田 稔
出版社:高橋書店
出版日:1988-12-01
価格 :¥258(2024/08/31 16:29時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

構成は『奇襲大全』『奇襲!!将棋ウォーズ』とほぼ同じ。奇襲対策がきちんと書かれているという点も同じだ。同じ戦法も決して少なくない。
なので、若干点数は厳しくなっている。

しかし、繰り返すが、こういう奇襲モノは一度は読んでおいて損はない。手に取ることだけはしておくべきだ。

作成日:2001.07.20 
奇襲・変態戦法

将棋の基本戦法

将棋の基本戦法
著者 :松田 茂行
出版社:日東書院本社
出版日:1987T
価格 :¥49(2024/08/31 21:31時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

さまざまな将棋の戦法について、基本的な駒組みの部分までをわかりやすく解説した本。

非常に古い本である。昭和53年初版発行だ。
なので、取り上げられている題材は古い。有段者でも今の若い人は「新旧対抗」なんて知らないだろう。それほど古い。

この本のすごいところは、前書きで堂々と「これは作った手順です」と宣言していることだ。初めて読んだ時には気が触れたかとも思ったが(笑)、続きを読んで納得。ようするに、「初心者には、正しい指し方を提示して『形勢不明』とするよりも、ウソの指し方であっても理想を展開して『有利』とした方がいい」という考え方らしい。
これは、非常に優れた考え方だと思う。
いや、今までのいわゆる「高段者の定跡本」というやつも、そういう考えでウソ手順を載せていたのかもしれない。しかし、それを「言わない」のではサギでしかない。それをきっちりと明確にしたところが本書の(発刊姿勢の)素晴らしさである。初級者、中級者にものを教える時にはこうありたいものだ。

作成日:2001.07.20 
全般

振り飛車党宣言! 4.四間飛車対左美濃

振り飛車党宣言 4
著者 :週刊将棋
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1994-12-01
価格 :¥1(2024/08/31 17:04時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

シリーズ最終刊は対左美濃。
これも藤井システムが全盛だし、そもそも左美濃自体が激減している感すらあるので、存在意義自体が薄れている気がしなくもない。
当然のごとく底の浅い解説も健在で(笑)、なんとかなんなかったのかな……という気がする。

よくよく考えてみれば、藤井システム系は藤井竜王自身が本を書いているので、そちらを参照するのが好手と思う。

作成日:2001.07.20 
四間飛車

史上最強の穴熊 1.急戦編

史上最強の穴熊 1 急戦編
著者 :大内 延介
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1994-10-01
価格 :¥56(2024/08/31 20:58時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

突然だが、正直に告白する。

私はここまで、けなし言葉として何度か「高段者の定跡本」という表現を使ってきた。
出るはずもない都合のいい手順をただ書いていくだけで、最新手順の発表もなく、さまざまな形の紹介をするでもなく、言葉は悪いが「金のためだけに」書いた本。それを「高段者の定跡本」と表現したわけだが、本書もそうだと思っていた。
だって、大内だよ。

しかし、それは間違いだった。

急戦・持久戦ともに、惜しげもなく最新の指し手が紹介されていた。残念ながら互角ていどの分かれにしかならない変化もあったと思うが、それだって正直さの裏返しである。作った手順を見せられるよりはよっぽどいい。
「しばらくの間、苦戦の続いた穴熊だが、今度はこちらから新作戦を披露する番だ。本書はそういった新しい指し方をすべて披露した」とはまえがきの言葉だが、この言葉に嘘はない。
古い本ではあるが、できれば一度は読んでみてほしい。

作成日:2001.07.20 
穴熊
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