定跡

風車の美学 伊藤果直伝!

風車の美学: 伊藤果直伝
著者 :伊藤 果
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1994-07-01
価格 :¥3,083(2024/08/31 22:33時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

私の好きな棋士を挙げろといわれたら、まず来るのは花村九段である(笑うな)。そしてその次に来るのが、本書の著者、伊藤果七段である。
伊藤果といえば風車。本書は、その風車の指し方を解説してある。

とはいっても、はっきり言って風車自体が非常に実戦的な指し方であるため、解説は困難である。いきおい実戦譜を並べることになるのだが、そうなると変化手順の説明が散漫になってしまうので、それが欠点と言えるかもしれない。個人的には、伊藤七段の文章は好きなので楽しく読めたのだが。
そもそも風車はマイナー戦法であるので類書がほとんどない。『秘法 巻之四 右玉伝説』では一応紹介されていたが、それも純正風車に比べるとはるかに攻め味の強いものであった。「(以前風車の本を出さないかと言われて)やはり戦法は勝つもので、風車のように千日手でもいい、といった本を出す勇気がなかった」ので断った、と著者自身がまえがきで書いている通り、定跡化するには馴染まない戦法なのかもしれない。
級位者にあまり薦められないが、有段者は指してみるのもいいかもしれない。なんだか駒落ちの上手の気分が味わえる戦法である。

作成日:2001.07.20 
中飛車

相振り飛車にツヨくなれ

相振り飛車にツヨくなれ: この一冊でパーフェクト (週将ブックス)
著者 :小林 健二
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1988-07-01
価格 :¥33(2024/08/31 22:08時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

名著『相振り革命』の帯にはこう書いてある。

「棋界初の本格的最新相振り飛車ガイドブック」
重箱の隅をつつくような話でアレだが、これは「ウソ」である。

『相振り革命』の発行が1995年10月15日、それより遡ること8年前の1988年7月10日に世に出たのが本書である。
本書には『相振り革命』で書いてあることのほとんどが書かれている。非常によく整理されており、形も豊富である。もし絶版になっていなければ、ぜひとも入手してほしい一冊だ。特に中盤戦での端の手の作り方、それぞれの囲いの破り方などは参考になる。

級位者から高段者まで、どの棋力の人にも楽しめるだろう。

作成日:2001.07.20 
相振り飛車

角換わり腰掛け銀研究

新版 角換わり腰掛け銀研究
著者 :島 朗
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1998-08-01
価格 :¥424(2024/08/31 19:50時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

なんでこの本を自分が持っているのかがまずわからない(笑)。

はっきり言って「難しい」。
豊富な図面と詳細な研究。手順は、仕掛けからどちらかが有利になるかどうかというところまで、と割り切り、その代わりそこに至るまでの膨大な変化をすべて解説している。居飛車党の高段者には必携の一冊である。
「新版」では、谷川―佐藤の名人戦の変化が載っている。△6三金型や▲9五歩突き越し型だったと記憶しているが、立ち読みのため自信はないので興味のある人は読んでほしい。

これを読まずして腰掛け銀を指す資格はない、と言い切っても過言ではない、腰掛け銀を愛する者のバイブルである。

しかしそうなると,ますますなんでこの本を自分が持っているのかがわからない(笑)。

作成日:2001.07.20 
相掛かり・角換わり

横歩取り△8五飛戦法

横歩取り8五飛戦法 (パワーアップシリーズ)
著者 :中座 真
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2001-02-01
価格 :¥32(2024/08/31 23:54時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

横歩取り8五飛戦法、いわゆる「中座飛車」の開発者である中座プロが書いた8五飛戦法の定跡書。執筆時点での最新棋譜をベースに詳しく解説したもので、8五飛戦法の指し方そのものだけではなく、先手方の対策の歴史まで読み取ることができる。
現在ではひとっころよりは下火になった感があるが、それでもまだまだタイトル戦の主役といってもいい戦法である。タイトル戦観戦にも本書は必携だろう。

なんだか日本将棋連盟もいい本を出すようになってきた。嬉しい限りだ。

作成日:2001.07.20 
横歩取り

奇襲! 将棋ウォーズ

奇襲将棋ウオーズ (屋敷伸之の忍者将棋)
著者 :湯川 博士
出版社:高橋書店
出版日:1992-01-01
価格 :¥93(2024/08/31 16:01時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

「屋敷伸之の忍者将棋」シリーズの1作。はっきり言って、この本を買うなら『奇襲大全』を買った方がマシである。なにしろ、書いたのが両方とも湯川博士である。内容も『大全』の方が実戦的だ。
それでも、一応は目を通す価値はあるだろう。とにかく奇襲モノに目を通すのが大学将棋では必須だ。自分が使っても星を稼げるし、逆に相手に使われて星を落とすこともない。私を見ればそれは一目瞭然だろう(おいおい……)。

けなしておいてから誉めるのも変な話だが、この本のいい所は「奇襲戦法」と「変態戦法」をきちっと分けているところだ。
将棋における奇襲戦法とは無理攻めとイコールであり、きっちり受ければ必ず受け切れる。変態戦法はメジャーでないと言うだけで、明確な欠陥があるというわけでない。
本書では、第1部に奇襲戦法を置き、「奇襲封じテクニック」として対策を載せている。この点は「買い」である。

作成日:2001.07.20 
奇襲・変態戦法
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