定跡

定跡外伝

定跡外伝: 将棋の裏ワザ教えます (MYCOM将棋文庫 3)
著者 :毎日コミュニケーションズ
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2002-12-01
価格 :¥11(2024/09/01 09:49時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

巷には定跡書があふれている。
しかし、当然のことながらそれらの定跡書は「すべての変化」を解説してあるわけではない。紙数の都合もあるだろうし、すっきりと優勢にならないから掲載しないということもあるだろう。ひどいのになると、不利になると困るから言わない、なんていうケースもあるかもしれない(笑)。かくして、「定跡書なんて役に立たないよ」なんて陰口がささやかれることになる……。

本書は、そんな「定跡外の定跡」を解説している。
むろん、プロやアマ高段者は当然知っている変化だ。定跡よりも常識の範疇かもしれない。しかし、初段をちょっと過ぎて「定跡書なんてさぁ……」と言っている人には目からウロコがぼろぼろ落ちることうけあいである。
ちょっとウソっぽいな……という変化がないわけではないのだが、それもほんの数ヶ所。全編ほとんどが「実戦的な定跡書」である。表紙に書かれた「将棋の裏ワザ教えます」の言葉はウソではない。
基本となる定跡を知っていないといけないので、それがまだおぼつかない初段くらいではちょっと難しいかもしれない。しかしその少し上くらいの人にはお薦めである。もちろん、高段者は知っていて当然、ぜひ目を通しておいてほしい。

作成日:2001.07.20 
振り飛車全般

B級四間飛車の達人

B級四間飛車の達人
著者 :週刊将棋
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1998-12-01
価格 :
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『B級戦法の達人』が先に出て結構好評だったのだろう。それから1年ちょっとで出たのが本書である。
 こちらは前書と違って四間飛車に絞っているため、変化手順も多くてお薦めである。やっぱり丸々一冊同じ戦法を書けるというメリットは大きい。
 特に初段くらいの人には参考にしてほしい。振り飛車のサバキが味わえる戦形なので、もっと強くなって正統四間飛車を指した場合でもきっと役に立つ。

 端角戦法については『定跡外伝2』でフォローが入っている。そちらもチェックしておきたい。

作成日:2001.07.20 
四間飛車

四間飛車を指しこなす本 3

四間飛車を指しこなす本 3 (最強将棋塾)
著者 :藤井 猛
出版社:河出書房新社
出版日:2010-08-03
価格 :¥1,650(2024/08/31 18:32時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

四間飛車を指しこなす本の完結編。当然のごとく藤井システムがメインになっている。
一応、その他にも玉頭位取り、5筋位取りなどが載ってはいるが、やはりメインは対居飛車穴熊、対左美濃である。

かなり突っ込んだ変化も書かれていて、また、最新の定跡もフォローされている。次の一手形式であるという点で白砂の(棋書としての)評価はあまり高くないのだが、図面を多くしたんだと割り切ればそこそこ読める。
四間飛車党にとっては必須だろう。「すべてマスターすれば四段」というヒキ文句については「どの定跡本だってそーだろーよ」と思わず突っ込んでしまったのだが(笑)、それでも、それだけ濃い内容が詰まっていることは事実である。

白砂の感覚はどうやら異質のようで、この「指しこなす本」シリーズは続々登場している。やっぱ読みやすいってのはいいことなんだな。

作成日:2001.07.20 
穴熊

秘法 巻之壱 雁木伝説

雁木伝説: 雁木の秘法を伝授 (MYCOM将棋文庫 2)
著者 :毎日コミュニケーションズ
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2002-11-01
価格 :¥99(2024/08/31 22:07時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

調べたわけではないのでくわしくは知らないが、雁木戦法の歴史は相当に古いものらしい。にもかかわらず、プロの公式戦で雁木戦法が指されることはほとんどない。なぜなのだろうか?

……知らない(<をい)。

冗談はさておき、というわけで、雁木はプロ間ではあまり指されない。しかし、アマチュアでは別だ。小暮氏を筆頭に雁木愛好家は意外と多い。
これまた理由は定かではないが、推察するに「自分の土俵に引きずり込む」効用が大きいものと思う。振り飛車党はそんなこと考える必要もないのだが(笑)、居飛車党の場合、特に後手番での指し方に困る。矢倉は勝率が悪いし、角換わりや相掛かりも同様だ。しかも、それらの戦形はすべて「日頃から研究してよく知っている」必要がある。そんなこと仕事が忙しいアマチュア愛棋家にはできるわけがない(いや、立派にやっている方ももちろんいますよ)。
そこで「定跡はずし」のひとつとして、雁木戦法がクローズアップされるわけだ。
相手は不慣れだし、こちらは右四間っぽく攻めるだけとコンセプトはとっても簡単。棋力はあっても情報戦で遅れをとる社会人アマ棋士にはもってこいの戦形だろう。

本書は、そういったアマチュアのために書かれている。豊富な変化と詳細な解説は読んでいて理解しやすい。図の使い方もアクセントが効いている。これは『伝説シリーズ』共通の特徴だろう。
社会人はもとより、学生将棋でも通用する居飛車党の切り札になりうる戦法だ。

作成日:2001.07.20 
その他の居飛車

現代矢倉の思想

現代矢倉の思想 (未来の定跡)
著者 :森下 卓
出版社:河出書房新社
出版日:1999-05-01
価格 :¥106(2024/08/31 21:12時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

自分から買いに行った本。振り飛車党なんだがなぁ……。

わざわざ本を買った理由はおいといて、この本は名著である。森下八段が自分の知識をあますところなく披露したような深い研究と、矢倉に対する確かな思想が感じられる。

本書では、

  • 矢倉基本形までの手順
  • 加藤流(3七銀型で▲2六歩▲1六歩と突いてある形)
  • 森内流(△9五歩△8四歩の形)
  • 郷田流(3七に銀も桂も上がらずに▲3八飛とし、相手の出方を見る)
  • 佐藤流(早めに▲3五歩と突いて角で歩交換をする)

を詳解している。
いずれも詳しい解説がついていて、しかも「どうしてこの形がすたれ、代わってこの形が出てきたか」が非常にわかりやすく書かれているので、私のような「矢倉素人」でも理解しやすい。おもわず俺も矢倉指しちゃおっかな、とまで思わせる内容だ。

作成日:2001.07.20 
矢倉
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