振り飛車党宣言! 4.四間飛車対左美濃
シリーズ最終刊は対左美濃。
これも藤井システムが全盛だし、そもそも左美濃自体が激減している感すらあるので、存在意義自体が薄れている気がしなくもない。
当然のごとく底の浅い解説も健在で(笑)、なんとかなんなかったのかな……という気がする。
よくよく考えてみれば、藤井システム系は藤井竜王自身が本を書いているので、そちらを参照するのが好手と思う。
シリーズ最終刊は対左美濃。
これも藤井システムが全盛だし、そもそも左美濃自体が激減している感すらあるので、存在意義自体が薄れている気がしなくもない。
当然のごとく底の浅い解説も健在で(笑)、なんとかなんなかったのかな……という気がする。
よくよく考えてみれば、藤井システム系は藤井竜王自身が本を書いているので、そちらを参照するのが好手と思う。
世紀末四間飛車シリーズ最終巻。居飛車急戦定跡について、『世紀末四間飛車 急戦之巻』をふまえながら修正を加えて簡潔にまとめてある。「世紀末」と言っておきながら出版日が1994年。看板にでっかい偽りあり、だ(笑)。
手の内容そのものは他の本と大差ないかむしろ不親切なくらいだが(なにしろなんでこの局面が「先手よし」なのか判らないくらいの所で打ち切るのだから)、本書のウリはその口上。何しろ口が悪い、いや、断定が多い。
「世紀末四間飛車にとってはまるで相手にならない」
「よだれが出るようなおいしい指し方」
「従来の定跡書がいかに間違っているか」
「はまってしまう無知なプロ棋士が多い」
……。
「将棋の事が書いてあるトンデモ本」だと思って読むといいかもしれない(笑)。
「若手プロがそれぞれの得意形を解説する」という編集方針の元に作られたシリーズで、シリーズ1作目は窪田の振り飛車。居飛車穴熊と山田定跡、棒銀その他の戦法が載っている。
5年前の本なので定跡としては若干古くなっているが、山田定跡などはこれ以降に本になっていたかなぁ……というくらい意外と書かれていないような気がする(気がするだけです(笑))ので、そういう点では一読してみるのもいいかもしれない。
四間飛車対棒銀にのみ絞ってまるまる一冊解説している。
『振り飛車新世紀1 窪田流四間飛車』で窪田も棒銀については解説しているが、本書のほうが気持ち緻密だ。振り飛車が先手後手両方について書いてあるのもいい。
昔、誰かが「振り飛車の定跡本の場合、千日手の変化があると必ず振り飛車を後手にする」と言っていたことがあった。本書に限ってはそれはないわけで、それだけきちんと解説している証拠でもある。先手と後手の変化を比べることにより、一手の差の大きさをより強く認識できる効果もある。
かなり古い本ではあるのだが、一度は読んでみて欲しい。級位者には特におススメである。
『振り飛車新世紀1 窪田流四間飛車』でも登場した窪田の2冊目。今度は右四間である。
右四間では、居飛車側に、舟囲い、左美濃(米長玉)、居飛車穴熊と3種類の選択権がある。いずれの場合も居飛車側が主導権を握りつつの展開になるので、振り飛車側としても工夫が必要になるわけだ。
本書はどちらかというとオーソドックスな対処法で、なんだか「普通に指しても急に不利にはなんないよー」と言っているような感じがした(笑)。実際は一手一手に神経を使って最新の手順を組み立てているのだが。
このシリーズ共通の問題なのだが、レイアウトがほとんどのページで同じなので、いま自分がどこにいるのかが判りにくくなる。特に盤駒なしでさらっと読んでいると、膨大な変化がちょっとずつ形を変えて出現するので混乱してしまう。
逆に言うと、その点にさえ注意すれば、懇切丁寧な解説がずーっと書いてあるわけだから非常に有用な本であるとも言える。あるていどの棋力がないと辛いかもしれないか、読む価値は十分にある。