振り飛車

振り飛車ワールド 第2巻

振り飛車ワールド 第2巻
著者 :毎日コミュニケーションズ
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-03-01
価格 :¥75(2024/09/02 10:09時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

いかにもごった煮感の強い装丁だが、どうやら直す気はないらしい(笑)。しかし、あとがきで明言するとは強気な……。

構成は前著と同じような感じで、インタビュー、指定局面対局、コラム的講座などがわらわら入っている。
今回の目玉はバンカナたんのコラム指定局面対局で、4六銀戦法に対して振り飛車の新手が紹介されている。4六銀戦法は『世紀末四間飛車』『スーパー四間飛車』など昔の棋書でも取り上げられ「詰みまで研究されている」とまで言われていたものだが、ここへきて新たな展開を見せている。
さわりだけ紹介すると、従来の定跡では△4六歩と叩いて▲同銀△4九飛となっていたが、ここで4九ではなく3九に打つのが研究の一手。以下いろいろ変化はあるのだが、どうも振り飛車がかなり有力らしい。
この変化は、それこそ森安ダルマ流の頃からの形で、どうして今まで気づかなかったんだ! というくらい単純な筋である。もちろん、実際は奥底にある変化の中で「やれる」筋が見つかって復活したのだと思うが、それにしても将棋の奥深さを感じる。

講座の方も相変わらずで、役に立つんだか立たないんだか白砂にはよくわからない(笑)。ただ、流してささっと読めるので、お得な感じはする。インタビューもなかなか味があったが、今度はバンカナたんにインタビューをして、ついでに写真をたくさん載っけてくれると嬉しい(爆)

作成日:2003.05.21 
振り飛車全般

コーヤン流三間飛車の極意 急戦編

コーヤン流三間飛車の極意 急戦編・持久戦編 (プレミアムブックス版)
著者 :中田 功
出版社:マイナビ出版
出版日:2017-02-28
価格 :¥3,520(2024/09/01 06:24時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『島ノート』ですっかり名を上げた感のある中田の、最新の三間飛車定跡書。四間飛車とゴキゲン中飛車の本はあまたあれど、三間飛車の解説本なんてのはなかなかない。ましてや正統派の三間飛車となると、最後に出版されたのはいつだろうか? というわけで、三間飛車党待望の本。

今回は急戦編ということで、主に早仕掛けの変化について書いてある。その他の急戦についても一応触れられているが、本書の解説にもある通り、元々三間飛車は3筋に飛車を振っているので、四間飛車の変化に比べて一手得している(振り飛車では、角頭を攻められた時、△3二飛と受けることがありますよね。三間飛車は初めから3筋にいるので、その手を省ける=一手得、という意味です)。そのため、それらの変化についてはさらっとしか書かれていない。まぁ、知りたければ先手四間飛車vs急戦の本を見ればいいわけで、それについては上記の通りあまたの本が出ているから本書で触れる必要もないのだろう。
早仕掛けというのは、▲4五歩から仕掛けて、銀を上がって交換して▲3二銀から▲2一銀成、▲1五桂……という例の形で、これについてはかなり突っ込んで書いてある。『定跡外伝2』にない変化もあるので、まさに三間飛車党にとっては待望の書といえる。
図面も多く解説も判りやすいので、中級者から有段者まで幅広くカバーできると思う。初級者から中級者入口の人は『ホントに勝てる振り飛車』を読んでから本書を読むとなおいいだろう。

こうなると期待してしまうのは「中田功XP」で、早いトコ対持久戦を出版して欲しいところだ。
……てぇか、持久戦全盛の時代に、なんて判を押したように急戦が先で持久戦が後なのだろうか? 出し惜しみして売上が伸びるわけでもなし、さっさと期待されているものから出した方が得策だと思うのだが。

作成日:2003.03.23 
三間飛車

振り飛車ワールド 第1巻

振り飛車ワールド 第1巻
著者 :毎日コミュニケーションズ
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-01-01
価格 :¥10(2024/09/01 18:09時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

題名からはどういう本だか判らなかったのだが、手にとってみて、これ以外に名前のつけようがないなと思った(笑)。要するに、振り飛車についてのことが雑多に書いてある本である。
お堅い定跡書、というよりは、雑誌やムックの感覚で読める本である。藤井前竜王や剣持のインタビューやあじあじ(安食総子女流)のコラム、指定局面戦、講座など、いろいろある。個人的には、一番最後の記事、後手△3一飛の新手に笑った。こういう手もあるんだなぁ。

既に第2巻の発行が決まっているようで、どんな内容になるか楽しみである。
とりあえず、目に付いたところから読む、という感じで楽しめると思う。いろいろ入っているので、どの棋力の人に、とは少し言い難い。

作成日:2003.03.16 
振り飛車全般

鈴木流豪快中飛車の極意

鈴木流豪快中飛車の極意 (プロの将棋シリーズ 1)
著者 :鈴木 大介
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-02-01
価格 :¥200(2024/08/31 23:28時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

中飛車全般のことについて書いてある本だと思ったら、先手番でのゴキゲン中飛車についてだった。3手目に▲1六歩と突いてゴキゲンに構える形である。著者曰く、作ったのは近藤かもしれないけど定跡体系化したのは自分だそうで、そのために名称が「豪快中飛車」になっているのだそうだ。
基本的な形、例えば△8六歩と突いてくるだとか、△6二銀から持久戦になるだとかいう形から、△5二金右の超急戦型、△3二金の最新型まで一応は網羅してある。

かなり図面を多く割いていることもあって、白砂自身は判りやすかった。また、執筆当時の「有利になる」変化については詰みの部分まで突っ込んで書いてある部分もあり、そういう意味では役に立つとは言えるだろう。
しかし、まぁ鈴木大介である。居飛車側が有利になる肝心の変化がなかったり、少し強引な形勢判断をしている部分がないとはいえない。

それでも、初段前後でゴキゲン中飛車を指す、という人には参考になると思う。かなり深くまで突っ込んでいるので役に立つ。逆に、そういう書き方をしているので、定跡書を読むのに慣れていない人は少し辛いかもしれない。
4段もあればここに書いてあることはまぁ知っている範囲だろうが、よくまとまっているので持っていても損はないと思う。

作成日:2003.03.16 
中飛車

ホントに勝てる振り飛車 先崎学式将棋レクチャー&トーク

ホントに勝てる振り飛車 (先崎式将棋レクチャー&トーク)
著者 :先崎 学
出版社:河出書房新社
出版日:2003-01-01
価格 :¥1,698(2024/08/31 15:06時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『ホントに勝てる四間飛車』に続くホントに勝てるシリーズ第2弾。既に「~穴熊」が発行予定だそうで、これは初級者にやさしいシリーズ本の誕生かもしれない。
本書は三間飛車、中飛車、向かい飛車を扱っている。
どれもよくある形で、かつ既存の定跡書でさんざん語られた部分ではある。しかし、できるだけ初級者に判りやすく書こうというコンセプトで作られているせいか、非常に読みやすくかつ理解しやすい。こういうたとえがいいのかどうか判らないが、同じ道を走っているのに違う景色を見ているような感じがする。一応は有段者の白砂でもそうなので、初段以前の人は立ち読みでもいいから是非一度は読んでみて欲しい。

定跡書はどうあるべきか、というのは非常に難しい問題だと思う。「羽生の頭脳」はその一つの回答だと思うし、東大将棋本もまた一つの回答だと思う。指しこなす本シリーズもまたそうだろう。
本シリーズは、それらとはまた別の、非常に魅力ある一つの回答だと思う。

もちろん、本書を読んだだけでホントに勝てるわけではないのだが(笑)、それでも、ホントに実力がつくことだけは約束できる。

作成日:2003.02.19 
振り飛車全般
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