振り飛車

青野照市のノックアウト四間飛車

青野照市のノックアウト四間飛車
著者 :青野 照市
出版社:フローラル出版
出版日:2002-02-01
価格 :¥1,991(2024/08/31 17:04時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

急戦の大家である著者が、どちらかというと級位者向けに書いた本。とはいえ、新鷺宮定跡の新変化(当時ね)も載っていたりするから油断できない。
形は鷺宮定跡を基本として、それの変化としての▲4六銀左戦法をフォローしている。

面白いと思ったのは、一応定跡の解説を終えたあと「ここからはこんな感じに指していけばいいよ」という指針を書いていること。初段までくらいの人には嬉しい配慮だろう。
本書の内容が理解できれば、対四間飛車に関しては初段くらいまでは簡単にいくと思う。変化も多いので、とりあえずこれ一冊あれば問題ない。カバーをかけないと電車の中では読むのが恥ずかしいかもしれないが。

ただ、この本、作りがヒドい。
誤字も多いし、図面の位置も中途半端で読みにくい。白砂は立ち読みで済ませたのだが、非常に読みづらかった。この図面の成桂を見てブン投げたくなった人も多いだろう。
聞いたこともない出版社なのだが(すんません)、もう少し真剣に棋書というものを考えてほしいものだ。

作成日:2002.02.28 
四間飛車

東大将棋ブックス四間飛車道場 第3巻 左4六銀

四間飛車道場 第3巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2002-02-01
価格 :¥1,980(2024/08/31 23:44時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

いわゆる四間飛車vs4六銀の形。
今までも腐るほど(笑)本が出ているが、その最新作と思えば間違いないだろう。

最新の(といってもかなり前からあると思うのだが……)△3七歩と叩く反撃や、森安新手の△3六歩、△4五歩などの変化について解説しているが、東大将棋シリーズにしてはかなりオーソドックスな手順だと思う。
というのも、四間飛車急戦での四間飛車側の陣形が変わってきたからで、本書で解説しているようなオーソドックスな形にはならない。その辺については『東大将棋ブックス四間飛車道場 第6巻 最強1二香』に載っているので、そちらを参照して欲しい。

作成日:2002.02.15 
四間飛車

東大将棋ブックス四間飛車道場 第2巻 右4六銀

四間飛車道場 第2巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2001-12-01
価格 :¥94(2024/08/31 17:04時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

第1巻の『東大将棋ブックス四間飛車道場 第1巻 ミレニアム』に続く第2巻。今度は急戦である。

居飛車穴熊に囲う場合、まず▲5七銀▲5八金としてから穴熊に潜る。しかし、穴熊と見せてそこから▲4六銀と出て仕掛けてしまうというのが本書で解説している形である。
4六銀左の形に比べて3筋が薄いので、△3七歩成▲同桂△3六歩、といった反撃手段が生じる(4六銀左の形だと右銀が4八にいるので、△3七歩成は▲同銀と取れるからこの筋はない)。それを踏まえつつ、どう攻め込んでいくかという将棋だ。塚田監修で同じような形を解説した本が出ていたと思うが、多分絶版で手に入らないだろう。また、同じ所司和晴著「急戦! 振り飛車破り」も現在は入手困難なので、本書はその隙間を埋めるものになるだろう。

また、箱入り娘という珍しい囲いでの攻めについても解説してある。舟囲いから▲6八金寄とした形なのだが、これが意外と固くて使える。一応著者のオリジナルだということなので、奇襲チックに実戦で試す価値はあると思う。
ちなみに、「箱入り娘」を命名したのは加藤治郎名誉九段。『将棋は歩から』にそのへんの顛末は書いてある。しかし、確か箱入り娘とは7七桂も跳んである形だったと思うのだけれど、錯覚だったかなぁ……。

藤井システムに悩まされている居飛車党は必携。藤井システムの形だけ覚えて「急戦で来られると話が違う」と愚痴っている振り飛車党(笑)も必携である。

ただし、このシリーズ共通の欠点である「読みにくい」という部分についてはなんの改良もされていないので、有段者以外は手を出さない方がいいだろう。

作成日:2001.12.12 
四間飛車

公望流メリケン向飛車戦法

公望流メリケン向飛車戦法 (三一将棋シリーズ)
著者 :横山 公望
出版社:三一書房
出版日:1995-08-01
価格 :¥3,810(2024/09/01 00:21時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

7八金7五歩型の向飛車で、居玉のまま▲8六歩△同歩▲同飛と仕掛ける戦法がある。私も一時期指していたことがある変態戦法だ。
著者の横山公望氏が愛用しているので、横山→横浜→メリケン波止場→メリケン向飛車と「勝手に」名づけられた。だから多分、感想戦で「このメリケン向飛車が……」と言っても判ってくれないと思うので念のため。
戦法の解説は実に詳しくなされているので、そういう意味では「買い」である。居玉でいきなり仕掛ける形と3八玉まで囲う形の2つを詳解しているので、実戦的でもある。形が決まっているので変化を掘り下げやすいのだろう。

ただ問題が一つあって、「普通」に書いてくれたら本の厚さは実際の半分になったと思う。とにかく「やめてくれ」「勘弁してくれ」「もうひと思いに殺してくれ」というくらいに「ダジャレ」が多いのだ(オーバーだが、決して誇張ではない)。
誰かがダジャレ抜きの抜粋版を作ってくれたなら、それには★★★★★をあげよう(笑)。

作成日:2001.07.20 
向かい飛車

四間飛車を指しこなす本 1

四間飛車を指しこなす本 1 (最強将棋塾)
著者 :藤井 猛
出版社:河出書房新社
出版日:2010-08-03
価格 :¥1,485(2024/09/01 09:46時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

満を持して登場した本家藤井猛による四間飛車の解説本。とはいっても本書は「藤井システム以前」の急戦についての解説で、有段者には常識的な変化が多いかもしれない。

特徴的なのは、定跡解説書でありながら、次の一手形式で進んでいくこと。
そのため、図面が非常に多い。ほぼ数手ごとに図面が挿入される。昔の米長の奇襲シリーズくらい多い。
ただ、次の一手形式のため、今が変化なのか本筋なのかが判りにくいという欠点はある。きちんと読めば大丈夫なのだが、こういう形式である以上、混乱する可能性は高いと言わざるを得ない。

良くも悪くも、従来にないタイプの定跡書であることは間違いない。
あ、あと、電車の中では読まない方がいいかもね(笑)。

作成日:2001.07.20 
四間飛車
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