振り飛車党宣言! 4.四間飛車対左美濃
シリーズ最終刊は対左美濃。
これも藤井システムが全盛だし、そもそも左美濃自体が激減している感すらあるので、存在意義自体が薄れている気がしなくもない。
当然のごとく底の浅い解説も健在で(笑)、なんとかなんなかったのかな……という気がする。
よくよく考えてみれば、藤井システム系は藤井竜王自身が本を書いているので、そちらを参照するのが好手と思う。
シリーズ最終刊は対左美濃。
これも藤井システムが全盛だし、そもそも左美濃自体が激減している感すらあるので、存在意義自体が薄れている気がしなくもない。
当然のごとく底の浅い解説も健在で(笑)、なんとかなんなかったのかな……という気がする。
よくよく考えてみれば、藤井システム系は藤井竜王自身が本を書いているので、そちらを参照するのが好手と思う。
高い。
とにかく高い。なんでこんなに高いんだ。
非常に高度な内容であり、力作であることは認める。しかし、3,600円はなんぼなんでも高すぎると白砂は思う。
内容は、相振り飛車の実戦181局を集めてそれに詳細な解説を加えたものである。しかし、いきなり実戦譜が並ぶので、相振りの「形」を知らない級位者は読んでも意味がないだろう。
また、図面は少なく、全編を指し手が覆う(笑)。盤駒は必須である。初段前後の人は辛いかもしれない。
本書はあくまでも、「更なる研究用」の本だと思う。
もう少し値段が安ければとも思うが、例えば半額に下げたとしても2倍の売れ行きにはならないだろう。そう考えるとこの価格設定は仕方がないのかもしれない。
むしろ、実戦集をサブにして定跡講座をした方が売上は伸びそうな気がするのだが……。
世紀末四間飛車シリーズ最終巻。居飛車急戦定跡について、『世紀末四間飛車 急戦之巻』をふまえながら修正を加えて簡潔にまとめてある。「世紀末」と言っておきながら出版日が1994年。看板にでっかい偽りあり、だ(笑)。
手の内容そのものは他の本と大差ないかむしろ不親切なくらいだが(なにしろなんでこの局面が「先手よし」なのか判らないくらいの所で打ち切るのだから)、本書のウリはその口上。何しろ口が悪い、いや、断定が多い。
「世紀末四間飛車にとってはまるで相手にならない」
「よだれが出るようなおいしい指し方」
「従来の定跡書がいかに間違っているか」
「はまってしまう無知なプロ棋士が多い」
……。
「将棋の事が書いてあるトンデモ本」だと思って読むといいかもしれない(笑)。
この本では筋違い角と相振り飛車の2つの戦形を扱っている。
筋違い角対策としては、▲3四角に△6四歩と突く形が知られている。以下▲6六歩と四間飛車を目指すと△6五歩▲同歩△6六角でハマるという仕組みである。
しかし、本戦法では角を7八ではなくなんと1六に引く。その後、相掛りのような形で攻めていく。そうすれば3四に歩がない分後手は困るだろうという考え方だ。
また、相振り飛車の方は、なんと相振りにもかかわらず▲5九金の中原囲いに組む。▲2八銀▲3八金の形が敵の攻めを厚く受けていて、しかも▲5九金▲6八銀の形が飛車交換になった場合の飛車打ちに強い、というメリットがあると言うのだ。
これも「ホンマかいな」系か、と思いがちだが、そこそこ実戦的だと思う。
変化手順が多いのもいい。自分で研究をすれば済むことではあるのだが、やっぱり指針があるに越したことはない。本書なら、とりあえず盤駒を持ち出さなくてもラクに読むことができる。
自分なりにアレンジして使いこなしてみたい戦形ではある。二、三段クラスでないと指しこなせないかもしれないが、お薦め度は大。
「若手プロがそれぞれの得意形を解説する」という編集方針の元に作られたシリーズで、シリーズ1作目は窪田の振り飛車。居飛車穴熊と山田定跡、棒銀その他の戦法が載っている。
5年前の本なので定跡としては若干古くなっているが、山田定跡などはこれ以降に本になっていたかなぁ……というくらい意外と書かれていないような気がする(気がするだけです(笑))ので、そういう点では一読してみるのもいいかもしれない。