振り飛車

渡辺明の居飛車対振り飛車〈2〉四間飛車編

渡辺明の居飛車対振り飛車 II 四間飛車編 (NHK将棋シリーズ)
著者 :渡辺 明
出版社:NHK出版
出版日:2008-02-13
価格 :¥1,100(2024/09/01 09:44時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

NHK将棋講座の内容をまとめたシリーズの後編。2冊目は1巻まるごと四間飛車である。
前書と同じく平易な語り口で、詳しい変化よりは大きく俯瞰で眺めるような内容になっている。

取り上げられているのは、ナナメ棒銀、4五歩急戦、棒銀、5筋位取り、玉頭位取り、居飛車穴熊、相穴熊と盛りだくさんで、穴熊は藤井システムについてもかなり筆が割かれている。
基本的なコンセプトも前書と変わらず、「急戦でも悪くないけど、美濃囲いは固いよ。居飛車穴熊のがいいんじゃない?」「居飛車穴熊は攻略が大変だよ。いろいろ工夫しないと」という歴史的なやりとりをふまえて書かれている。この辺り、初級、中級向けに説明するのはけっこう難しいと思うのだか、非常にうまくやっている感じがする。
前書同様、中級者にとって心強い味方になってくれる本だ。

どうでもいい話だが、藤井について「ユニークな解説や棋士のモノマネなどのファンサービスで有名ですが」って(笑)。

作成日:2008.03.24 
四間飛車

世紀末四間飛車 急戦之巻

世紀末四間飛車 急戦之巻
著者 :櫛田 陽一
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1990-12-01
価格 :¥530(2024/09/01 09:44時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『スーパー四間飛車』の小林八段とほぼ時を同じくして出てきた振り飛車党に櫛田五段がいる。その彼の書いたのがこの世紀末四間飛車シリーズである。本書はその1巻目。急戦について扱っている。

内容はナナメ棒銀、▲4五歩早仕掛け、棒銀、5筋位取り、▲4六銀、右四間飛車と一通り。いずれも居飛車先手四間飛車後手で解説されている。

△3二銀で待機せず、さっさと△4三銀と上がっておいて十分、というのが世紀末流で、現在の視点から見るとやや荒い感じはする。たとえば『東大将棋ブックス四間飛車道場 第6巻 最強1二香』『四間飛車の急所 4 最強の4一金型』などは「通常の形では振り飛車がやられるから形を変えよう」という思想に基づいてシステム化されている。
しかし、とにかく美濃囲いに組んで△4三銀と上がって、この形を組んでしまえばあとはどうとでもなる、というある種の開き直り(笑)はアマチュアにとってありがたいことでもある。細かいことをこちゃこちゃやりたい人は8五飛戦法でも指していればいいのだ。振り飛車は暴れてナンボである(←暴言)。

というわけなので、厳密には少し振り飛車が苦しいのかもしれないが、そんなことを気にせずまず形を覚えよう、という初段前後くらいまでにはお勧めの本。

もっとも、そもそも新刊では手に入らないだろうが……

作成日:2007.09.21 
四間飛車

世紀末四間飛車 持久戦之巻

世紀末四間飛車 持久戦之巻
著者 :櫛田 陽一
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:1991-05-01
価格 :¥1,000(2024/09/01 07:47時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『世紀末四間飛車 急戦之巻』に続く世紀末四間飛車シリーズ第2弾。本書は。持久戦を扱っている。

内容は玉頭位取り、5筋位取り、左美濃、居飛車穴熊。左美濃に▲8八玉型があるあたり、時代を感じさせる。
あいかわらず不親切な(笑)解説で、場合によってはおいこれで本当に振り飛車有利なのか? という局面もある。鈴木大介よりすごいかもしれない(笑)。

作成日:2007.09.21 
四間飛車

東大将棋ブックス四間飛車道場 第1巻 ミレニアム

四間飛車道場 第1巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2001-10-01
価格 :¥29(2024/09/01 09:45時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

東大将棋ブックスのシリーズの栄えある1冊目。当時流行していたミレニアムを扱っている。この当時はまさかあと16冊も出るとは思わなかったが、しかし、衝撃的なほどに内容が濃かったことは間違いない。

内容は、

▲6七金型
早めに▲6七金と上がって桂頭を守る。
▲6六角型
▲6六角▲7七桂から▲8九玉と引き、▲8八銀▲7九金▲7八金とガチガチに囲う
▲5五角型
やや特殊な形。振り飛車を牽制する狙い

となっている。
『四間飛車の急所1』などの新しい本を読むと、本書の振り飛車はやや無策で、ミレニアム側に都合がいい手順が多い。しかし、当時はそれだけミレニアムに対する距離感がわからなかったということの証左でもある。
東大将棋シリーズらしい丁寧でない編集(<ごめんなさい)のために非常に読みづらいのだが、内容はギッチリ詰まった良書である。

作成日:2007.09.21 
四間飛車

ナニワ流ワンパク中飛車

ナニワ流ワンパク中飛車 (マイコミ将棋BOOKS)
著者 :阪口 悟
出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:2007-05-24
価格 :¥444(2024/08/31 22:07時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

中飛車で初手から▲5六歩と突いていく、変態チックな面白戦法の解説書である。正直に告白すると著者を知らなかった(<すいませんすいません)のだが、なかなか面白く読めた。
新ゴキゲン中飛車も初手が▲5六歩だが、こちらのワンパク中飛車は早い段階で▲7七角と上がり、ゴキゲン中飛車というよりはヒラメ戦法の味で指していく形である。

簡単によくなる(ホントか?)角交換型から始まって、左美濃、居飛車穴熊といった持久戦、ナナメ棒銀などの急戦、果ては相振り飛車までと、一通りの形は揃っていそうだ。
ただし、かなり強引な……と言って悪ければ豪快な手順が多いので、実際に本書の手順で指せるのかというと怪しいところもある。この辺りは「解説用」ということで、戦法の気分を味わうにとどめるへきだろう。

初級者は中飛車が大好きで、実際これで結構勝ててしまうのだから面白い。早道は一つの戦法を集中的に指すことで、ぜひとも使ってほしい変態戦法だ。
上級者は逆に、後手を持ってつぶされない指し方を研究してみよう。

作成日:2007.09.04 
中飛車
広告