矢倉

東大将棋ブックス矢倉道場 第1巻 4六銀

矢倉道場 第1巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2001-09-01
価格 :¥100(2024/08/31 18:41時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

先手4六銀戦法(4六銀-3七形の形)vs森内流△9五歩、先手が1八香型で、そこから一手▲5七角と待つ形だけを解説している。ここまで特化した形を一冊の本で解説するというのはなかなかの冒険だ。
さらに言うと、図面がいっぱい、変化手順がいっぱい、しかし解説が少し、という東大将棋ブックスならではの構成。ようするに、棋譜を示されて理解できる人にとっては盤駒なしでも読める便利な本になるが、そうでない人にとっては手順の解説の中途半端な難しすぎる本になるということである。これをどうとらえるかは難しいところだが、アマ有段者にとって知りたい情報満載の本が出た、という事実を素直に喜びたい。

将棋ソフト『東大将棋』シリーズと提携するという異色の試みだが、個人的にはその設定はあってもなくてもいっしょだと思う(笑)。もう少し構成を工夫すれば名著になったと思うのだが、構成に時間をかけるより、情報を詰め込んでいろんな形の定跡をいっぱい紹介しようというハラづもりなのだろう。それはそれで一つの方向性である。
初段前後くらいまでの人は触らない方がいい。矢倉と定跡書が嫌いになっていくだけだ。

作成日:2001.09.10 
矢倉

現代矢倉の思想

現代矢倉の思想 (未来の定跡)
著者 :森下 卓
出版社:河出書房新社
出版日:1999-05-01
価格 :¥106(2024/08/31 21:12時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

自分から買いに行った本。振り飛車党なんだがなぁ……。

わざわざ本を買った理由はおいといて、この本は名著である。森下八段が自分の知識をあますところなく披露したような深い研究と、矢倉に対する確かな思想が感じられる。

本書では、

  • 矢倉基本形までの手順
  • 加藤流(3七銀型で▲2六歩▲1六歩と突いてある形)
  • 森内流(△9五歩△8四歩の形)
  • 郷田流(3七に銀も桂も上がらずに▲3八飛とし、相手の出方を見る)
  • 佐藤流(早めに▲3五歩と突いて角で歩交換をする)

を詳解している。
いずれも詳しい解説がついていて、しかも「どうしてこの形がすたれ、代わってこの形が出てきたか」が非常にわかりやすく書かれているので、私のような「矢倉素人」でも理解しやすい。おもわず俺も矢倉指しちゃおっかな、とまで思わせる内容だ。

作成日:2001.07.20 
矢倉

現代矢倉の闘い

現代矢倉の闘い (未来の定跡)
著者 :森下 卓
出版社:河出書房新社
出版日:1999-08-01
価格 :¥1(2024/08/31 21:12時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『現代矢倉の思想』の続編。▲4六銀▲3七桂戦法と森内流を詳解している。

特に森内流は現代矢倉の流れを変えたとまで言われる形で、これは矢倉党なら絶対に知っておかなければいけない。
巻末のインタビューも面白く読めた。森下の人柄が出た良書と思う。

作成日:2001.07.20 
矢倉
広告