居飛車

なんでも矢倉

なんでも矢倉 (将棋必勝シリーズ)
著者 :森下 卓
出版社:創元社
出版日:2004-08-01
価格 :¥1,430(2024/08/31 15:25時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

中飛車、棒銀に続くなんでもシリーズの第3弾は矢倉。いくらなんでも「なんでも矢倉」にはできないだろー、と思っていたら、うまくというかずるくというか(笑)、確かに「なんでも矢倉」になっている。

内容は、対振り飛車の矢倉棒銀! と玉頭位取り、そして相居飛車での後手無理矢理矢倉の3つ。

振り飛車に矢倉棒銀なんてありかよ! という気もするが、本書に書いてある通り、加藤一二三が指していた。昔、加藤自身が書いた著書を読んだ記憶もある。
戦法としては鳥刺しに近い感覚である。一応急戦と持久戦の両方を解説してもいるし、級位者が得意戦法にするのにはいいかもしれない。

玉頭位取りは、もう玉頭位取り、としか言いようがない。そりゃ確かに銀立ち矢倉だけどさぁ……。
それでも、意外と高度なことも書いてあるので、少しは役に立つかもしれない。もっとも、振り飛車が飛車を振り戻して玉頭戦になる対抗策についてはほとんど触れられていないので、初段くらいではもう役に立たないと思う。

最後の無理矢理矢倉は、矢倉に組むというよりはそれ以外の形について多くを割いているようにも思える。後手番で飛車先不突きの腰掛け銀の形なども書いてあるので、少しは参考になるだろう。

当たり前の話だが全体的に初級者向けなので、細かいことは言わず、なんとなく戦法の雰囲気をつかむといったくらいの心構えで読むのがいいと思う。

しかし、次はなんだろうか……?

作成日:2004.09.02 
振り飛車全般 矢倉

東大将棋ブックス矢倉道場 第6巻 森下システム 続

矢倉道場 第6巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-11-01
価格 :¥198(2024/08/31 21:08時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

前書が最新のスズメ刺し対策を述べたものであるのに対し、こちらはスズメ刺し以外の対抗策を解説している。

必然的に「昔の指し方」の解説が中心となっている。少し損をした気分だ(笑)。出版社側(敢えて著者は、とは書かないことにしよう)としては「古き皮に新しい酒を注ぐ」つもりだったのだろうが、それにしては新しい酒があんまり見当たらなかったように思う。この辺、白砂は振り飛車党なので事情がよく判らない。3年くらい前なら、『現代矢倉の○○』を読んでにわか矢倉定跡党になっていたんだけど……。
今までの森下システムを知らない人には参考になるかもしれない。また、少しではあっても全く新手がないわけではない(と思う)ので、最新を追いかけたい人はやはり持っていて損はない一冊だろう。

こういう乱暴な言い方をしていいものかどうか判らないが、こちらが森下システムを指して、相手が前書のような指し方をしてきたらそれは有段者だ。初段前後くらいの人同士の対局だと、むしろ本書の範囲で戦うことが多いと思う。
そう考えれば、一応パラパラとめくって変化をさらっておくのは悪くないことかもしれない。
もっとも、そういう用途であればもっといい本はあるわけなんだけど(笑)。

作成日:2003.12.24 
矢倉

東大将棋ブックス横歩取り道場 第7巻 3三角戦法

横歩取り道場 第6巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-05-01
価格 :¥948(2024/09/01 05:09時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

横歩取りシリーズ最終巻は3三角戦法。内藤9段の空中戦法でおなじみの戦形である。現在こそ8五飛戦法に押されてしまってはいるが、その存在が否定されたわけではない。

正直な感想を述べると、そんなに目新しさは感じなかった。
8五飛戦法の台頭のせいで、3三角戦法にもいくつか新しい指し方や手筋が生まれたとは思う。しかし、それこそ『羽生の頭脳』からどれくらい進化したんだということを考えると、その停滞具合が少し悲しい。プロは最新形しか研究しない、というのは、ある意味真実なのかもしれないなぁ。

巻末にはチャートもついていて、それだけでお得かもしれない。
横歩取りだからこれで済んだものの、四間飛車だったらどうなるんだ……? などと、つまらないことまで考えてしまった(笑)。

作成日:2003.08.25 
横歩取り

東大将棋ブックス横歩取り道場 第6巻 3三桂戦法

横歩取り道場 第6巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-05-01
価格 :¥948(2024/09/01 05:09時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

すっかりお馴染みの東大将棋シリーズ。相横歩、8五飛、4五角ときて今度は3三桂戦法である。
屋敷あたりが随分勝ち星を稼いで話題になった時期もあった。最近では脇-深浦戦やそれを踏まえた谷川戦などが話題に上ったようだ。最近は8五飛戦法の影響で少なくなったが、一発の入りやすいこういう戦形は特に持ち時間の少ない将棋などでは威力を発揮する。完全に潰される定跡が確立されない限り、今後とも長く指されていくのだろう。

3三桂戦法の定跡書自体があまりなかったせいもあるのだろうが、かなり基本的な形から解説している。個人的には▲2七歩、なんていうのを久しぶりに見た(笑)。系統立てて、と言えるほど親切な作りにはなっていないが、狙い筋が単純なので体系化しやすく、作りやすかったのだろう。今までのシリーズよりは読んでいて雑多感は少なかった。
ひととおり読めば、3三桂戦法の狙いや攻め筋が判ると思う。

定跡書自体がないのだから、それだけで貴重な本と言えるだろう。アマチュアでは(もちろんプロでも)この戦法を得意にしている人も多いので、大会などで一発喰らってしまう、なんてことも十分にありうる。居飛車等は目を通しておいて損はない。

作成日:2003.05.21 
横歩取り

東大将棋ブックス横歩取り道場 第4巻 8五飛戦法

横歩取り道場 第4巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-01-01
価格 :¥310(2024/09/01 05:09時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

『東大将棋ブックス横歩取り道場 第1巻 8五飛阻止』に続いての8五飛戦法第2弾。▲5八玉型について解説している。
昔は▲6八玉型が多かったように思うが、最近はこの5八玉型ばかりになっているように思う。8五飛阻止に引き続き、横歩取り党にはありがたい一冊だろう。

相変わらず読みにくい……ということはもう言わなくてもいいとは思うが、それでも、ページの上の方に見出しを書き続けていたり、なんとなく努力は伺える。いっそのこと上下ともに使って今どの変化をやっているかが判ればもっと判りやすくなるとは思うが、それはさすがに見づらすぎるか(笑)。
やっぱりいつものように有段者向けであることは間違いなく、辞書か雑誌の企画ものだと思ってさらっと読み流すのがいいだろう。

作成日:2003.03.25 
横歩取り
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