居飛車

東大将棋横歩取り道場 第五巻 続8五飛戦法

横歩取り道場 第5巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-03-01
価格 :¥200(2024/09/01 05:09時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

おなじみ東大将棋シリーズの第5巻。前回は5八玉型だったが、今回は6八玉型を解説している。また、少しではあるが▲5八玉型の最新形▲3六歩型についても触れられている。

相変わらずの編集方針だが、もう買う方も慣れているので間違って手を出すこともないだろう(笑)。完全にブランドが定着した感がある。
▲3六歩という新手についても、よくぞこのスピードでこれだけの情報を集めたなというくらい集まっている。絶対数としてはまだまだだが、出版から逆算すると、ほとんどリアルタイムに近い感じで棋譜を集めているとしか思えない。便利な時代になったもんである。どうでもいいけど、なんとか24万局集のデータを柿木形式にコンバートできないもんだろうか……。ホントにどうでもいい話だし、話題が違うし(笑)。

そろそろネタ切れの感があるこのシリーズ。そろそろ、読者からテーマを募集、なんてことを始めてもいいのではないか? なんてことをちょっと考えた。

作成日:2003.03.25 
横歩取り

初段に勝つ矢倉戦法

初段に勝つ矢倉戦法 (将棋必勝シリーズ)
著者 :森下 卓
出版社:創元社
出版日:2003-02-01
価格 :¥1,430(2024/08/31 18:50時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

矢倉24手組みから始まって、3七銀戦法など基本的な矢倉戦についての解説をした本。題名の通り、定跡を深く解説するのではなく、定跡の本筋だけを紹介するような形になっている。

森下といえば『現代矢倉の○○』があるが、内容そのものはそちらで十分である。こっちの本は、創元社という出版元からも判る通り、入門編。
そのため、既に河出書房新社の本を持って読んだ、という人には必要ないと思う。あの本は難しくて……という人のための本だ。

ベースが河出書房新社のものなので、内容は本筋である。
ただし、コンセプトは先崎の「ホントに勝てる」シリーズと同じなのだが、非常に高度でもある。
題材が矢倉のためなのか、著者の森下が「正しいことを伝えるのが正しいことだ」と考えているからか、その辺は判らない。ただ、先崎本が「なんとなく指しこなしていけるようにする」というコンセプトなのに対し、本書は真っ向から矢倉の本筋を語っているような気がする。要は高段者の考え方をそのまんま書いているので、そのために高度な思想が見え隠れする内容になっている。
もちろん、指し口そのものは「入門編」なので、心配しながら読むほどではないだろうが、白砂は少し気になった。もっとも、これは振り飛車と矢倉の違いという本質的なものかもしれないので、なんとも言えないのだが。

とりあえず、初段くらいの人までなら読んで参考になると思う。有段者は必要ない。もっと他の本を読みましょう(笑)。

作成日:2003.03.16 
矢倉

東大将棋ブックス横歩取り道場 第2巻 相横歩取り

横歩取り道場 第2巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2002-09-01
価格 :¥658(2024/09/01 05:09時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

東大将棋シリーズ、横歩取り本の2冊目。
相横歩取りである。
8五飛戦法が流行る前はこの形が多かったと思う。北浜新手の△5四歩も相横歩の定跡だった。

一番筆が割かれているのが相横歩取り▲4六角の変化。▲4六角に対してのさまざまな応手を解説している。一応、最善手は△8二角で、▲同角成△同銀……と続くわけだが、相横歩を指すのであれば、それ以外の変化も当然知っておかなければいけないだろう。
白砂が学生の頃は▲4六角がまだ出たてのころだったと思う。確か、青野新手とか言われてたんだよねー。ずいぶん長いこと先手有利と言われていたのだが、△5五角の変化が出てむしろ後手有望になっていった。

これ以外にも、▲7七銀ではなく▲7七桂と上がる形や▲7七歩と打つ形についても(少しだが)解説している。『定跡外伝』では好意的に書かれているが、こちらではやはり奇襲色が強いということであまりよくは書いていない。

今までの定跡のおさらいの感は強いが、いまさら『横歩取りは生きている』から読み返すのもなぁ……という人にはおすすめである。あいかわらず上級者向けだし、そもそも横歩取り自体が級位者には不向きな戦法なので、棋力の低い人にはすすめられない。

作成日:2002.09.12 
横歩取り

高田流新戦略3手目7八金

高田流新戦略3手目7八金
著者 :高田 尚平
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2002-08-01
価格 :¥130(2024/08/31 22:07時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

題名に「新戦略」とあるが、その名のとおり定跡というよりは戦略について書かれている本である。
話としては、▲7六歩△8四歩に▲7八金とする形について解説し、次に、ここから△3四歩、△8五歩、△3二金の3種類の指し手について、それぞれの対応策を述べている。ちなみにその3種類以外の指し手では先手が指しやすくなるというのが著者の主張だ。
この指し方の基本は「角換わり、矢倉などで少しでも得な形を目指す」ものである。「定跡」ではなく「戦略」だというゆえんがここにある。よって、まず角換わりだとか矢倉の定跡を知っていることが前提となる。
であるから、本書を読むためにはそれらの知識は必須。初段くらいでは本書は価値がわからないと思う。既存の形より少しでも得をしようという、実にプロ好みの「戦略」なのだ。

白砂の場合、▲7六歩△8四歩スタートには必ず▲7八金とするので、ある程度参考にはなった。もっとも△3四歩の場合には本書とは違って▲2二角成△同銀▲7七桂とするのだが(笑)。
そういう事情があるので、出版されると同時にすぐ買った。
一番役に立ったなぁ……と思ったのが中飛車にする変化で、こういう力戦形はただてさえ定跡書が少ないので参考になる。特に本書では穴熊の変化を含めいろんな指し方を紹介しているので、自分なりに消化するのに都合がいい。

戦略であるがゆえに、「こっから先は○○の形になります。ただし少し得です」というのが多いので、人によっては中途半端と思うかもしれない。個人的には、本書は道案内であって地図ではないと思っているので、どこになにがありますよと教えてくれるだけでも十分参考になった。
居飛車党なら手にとってもいいと思う。
ただし、既存の定跡書は必須。高段者向けの本だろう。

作成日:2002.08.27 
その他の居飛車

東大将棋ブックス横歩取り道場 第1巻 8五飛阻止

横歩取り道場 第1巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2002-07-01
価格 :¥100(2024/09/01 05:09時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

東大将棋シリーズがついに横歩取りに手を出した。
矢倉に変わって激増している8五飛戦法の解説である。いきなり「阻止」から解説するのもどうかと思うが(笑)、それだけ8五飛対策が進んでいるので仕方がないだろう。「有史以前」の話は別の本で補えという東大将棋シリーズらしい割り切りかたである。

主に解説しているのは山﨑流と呼ばれる変化で、角交換をすることにより△8五飛という形そのものを拒否している。で、△8四飛とするわけだが、そこからさらに先の変化を詳しく解説している。▲2三歩と叩く例の変化が主流だ。
……こう言って「あぁ、あれ」と言えない人は読むな、というくらい非常に高度な(というか煩雑な)内容なので、知っている人向けのまとめの本と思うべきだろう。間違っても級位者は手を出してはいけない。『8五飛を指してみる本』あたりからはじめるといいだろう。

作成日:2002.07.12 
横歩取り
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