四間飛車で居飛車穴熊退治

四間飛車で居飛車穴熊退治 (将棋必勝シリーズ)
著者 :鈴木 大介
出版社:創元社
出版日:2003-07-01
価格 :¥521(2024/08/31 15:52時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

鈴木大介です。
創元社です。

結果は、見えてますね?

 というコメントになるはずだったのだけど……(<はずだったんかい)。

すまん。

 この本、結構いいよ。

題材としてはタイトル通り対居飛車穴熊。先手番では浮き飛車を、後手番では△4四銀型を解説している。
特に浮き飛車については、あの久保が「厭な変化があるのでもう指しません」とか言ったとか言わないとかいうくらいなんか厭な筋があるらしいのだが、もちろんそんな変化は素通り。相変わらず豪快に決めてくれてます(笑)。
ただ、かなり形が限定されているので、四間飛車道場ほどではないにせよかなり突っ込んで変化が書かれている。本書を理解して四間飛車で穴熊に挑んで、それで負けてしまったら相手が強いと諦める以外にない、というくらいきっちりと解説してあるのだ。

浮き飛車形にしろ4四銀型にしろ、上級者でなくても指していける簡単な形なので、そういう「決まった形」をうまく料理した本だと思う。こういう戦法は、一手違うともうだめーというのではなく、形や狙い筋を理解するのがむしろ肝要なので、創元社+鈴木大介という「本筋のみ直球勝負」という作り手陣容とは相性がよかったのだろう。

下は5級くらいから上は3段くらいまで、かなり「使える」本になっている。

作成日:2003.08.25 
穴熊

新ゴキゲン中飛車戦法

新ゴキゲン中飛車戦法 (パワーアップシリーズ)
著者 :近藤 正和
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2003-08-01
価格 :¥125(2024/08/31 22:33時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

ゴキゲン中飛車についてはいまさら語る必要もないだろう。縁台将棋然としていながら、タイトル戦にまで登場する本格戦法である。

本書は、そのゴキゲン中飛車とは違う中飛車である(笑)。

サギぢゃねーのか、おい?

 いや、マジでさ。
この戦法をゴキゲン中飛車と言ってしまうのは少し酷いと思う。

内容としては、先手番での原始中飛車と言ってしまっていいのかもしれない。いきなり▲5六歩▲5八飛としてガンガン捌いていく戦法である。もっとも、ガンガンと言っても居玉で▲6六銀から▲5五歩、というホントに縁台将棋ってわけじゃないので、攻め好きの人には参考になると思う。
また、相振り飛車のついても載っている。
こちらは実戦例をもって解説に代える、みたいな感じで少し物足りないが、大体の雰囲気はつかめる。中飛車で相振りを指す時にはこうすればいいのか! みたいな指針にはなるはずだ。

タイトルはウソくさいが、一応中身はちゃんとしている。
中飛車党は買いだと思う。

作成日:2003.08.25 
中飛車

振り飛車党宣言! 2.三間飛車

振り飛車党宣言 2 (MYCOM将棋文庫 16)
著者 :石川 陽生
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-08-01
価格 :¥556(2024/09/01 06:25時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

シリーズ第2弾。今度は三間飛車である。
考えてみると、三間飛車の本というのは少ないのかもしれない。石田流はそこそこあるのだが、純粋三間飛車となると、居飛車側から見た▲4五歩急戦とか、その程度しかないと思う。
本書のまえがきには「プロ間では先手なら三間飛車、後手なら四間飛車を指すという人がいる」とある。ということは、もっと三間飛車に注目してもよさそうなものなのだが……。

内容としてはやはり変化の底が浅い。これはもうシリーズの特徴とも言えるものなので仕方がないだろう。

作成日:2003.08.14 
三間飛車

振り飛車党宣言! 1.四間飛車対急戦

振り飛車党宣言 1 (MYCOM将棋文庫 15)
著者 :小倉 久史
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-07-01
価格 :¥230(2024/09/01 09:45時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

振り飛車党宣言シリーズ第1作。四間飛車急戦を取り上げている。

しかし、いかんせん底が浅い。
棒銀にしろ▲4六銀にしろ、そう簡単に結論が出るわけはないというのは、(居飛車振り飛車にかかわらず)実際に指している人であれば判る話だ。しかし、本書では半分ほどしかスペースを割いていない。あとは実戦譜がズラリと並んでいるだけである。

私はこういう実戦譜をかき集めて「内容が濃いでしょ」という類の棋書は意味がないとすら思っているので、あまり賛成できない。プロやアマ高段者ならいざ知らず、4段程度までの人達が求めているのは「エキスのいっぱい詰まっている実戦譜」ではなく、それを噛み砕いて説明してくれる解説だと思うのだ。
「4段程度まで」というのは、ほとんどのアマチュアに当てはまるものだと思う。高段向けの棋書も結構。しかし、大多数の読者が何を求めているかというのも考えて欲しいと思う。

作成日:2003.07.15 
四間飛車

相振り革命

相振り革命: 相振り飛車の極意 (MYCOM将棋文庫 12)
著者 :杉本 昌隆
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2003-06-01
価格 :¥382(2024/09/01 01:03時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

相振り飛車の戦い方を判りやすく解説した本である。特に2、3段くらいの人にはぜひとも読んでほしい。初段以下ではちょっと辛いかもしれない。

超急戦のハメ手三間飛車に始まって、向かい対三間、四間対三間、対穴熊など、基本的な戦形は全て網羅してある。また、対向かい飛車の△7四歩対策についても解説してあり、高段者にもためになる一冊である。

プロではあまり指されることのない相振りだが、竜王戦での藤井の指し手を見てもわかるとおり、実際には相当研究が進んでいるものと思われる。本書はそんなプロの研究の一端が垣間見え、とても勉強になる。

作成日:2003.06.14 
相振り飛車
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