将棋倶楽部24万局集

将棋倶楽部24万局集: 棋譜データベース
著者 :久米 宏
出版社:ナイタイ出版
出版日:2002-03-01
価格 :¥6,480(2024/08/31 15:28時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

最近はネットで将棋を楽しむこともできるようになったし、棋泉や柿木のデータベースに棋譜をぶち込んで研究に生かす人も出てきた。まさに電脳研究(笑)の時代に突入したわけだが、そんな中、ネット将棋最大手の将棋倶楽部24が24万局という膨大なデータ集を発売した。

なんといっても本書(?)のウリは、アマ強豪の棋譜がたくさん収録されていることだ。プロの場合、指し手は相手の狙いを殺す方向に走りがちだし、少しの有利でも「有利」と考えたりするところがあるので微妙な機微はアマチュアにはわかりにくい。それよりは、同じアマチュアであるアマ強豪の棋譜の方が参考になるかもしれない。
また、当然のことながら変態戦法もたくさん載っている。定跡書の少ない形でも、数百局単位で棋譜を手に入れることができる。有段者ならこの素材だけで十分すぎるほどの研究ができるだろう。

おそらく図書館に行けば本は置いてある。コピーはやろうと思えばできるが、それは著作権法違反になるのでやらないように(←図書館職員より)。

作成日:2002.03.25 
実戦譜集

谷川の21世紀定跡 2 横歩取り8五飛戦法編

谷川の21世紀定跡 2 横歩取り・8五飛戦法編
著者 :谷川 浩司
出版社:マイナビ出版(日本将棋連盟)
出版日:2002-03-01
価格 :¥131(2024/09/01 07:46時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

ついにというかやっとというか、谷川が8五飛戦法を解説した。
とはいっても最新変化がずーらずら……というわけではない。むしろ今までの定跡をまとめたものに近い。そういう意味では、類書であり良書であるものがいくつか出ているので、そちらを参考にした方がいいだろう。

わざわざ谷川をかつぎ出したのは、プロローグにあると思う。
約30ページを割いて、今までの8五飛の歴史について簡単に触れている。その中で、谷川自身の考えたことや指し手の意味などを結構詳しく書いてくれている。

これが面白い、と思った人は買い。
そうでない人は別の本で十分だと思う。

作成日:2002.03.25 
横歩取り

東大将棋ブックス矢倉道場 第4巻 新3七銀

矢倉道場 第4巻 (東大将棋ブックス)
著者 :所司 和晴
出版社:(株)マイナビ出版
出版日:2002-03-01
価格 :¥125(2024/08/31 18:50時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

第3巻と同じ3七銀型ではあるが、こちらは少し変態チックな変化を解説している。変態戦法系といっても、脇システムや6五歩突きというプロの対局に出ている立派な指し方である。まぁ、森下は『現代矢倉の思想』で脇システムを「今後主流になることはないと思っている」とバッサリ切り捨てていたが(笑)。
一方、アマチュアにとっては知りたい変化でもあるだろう。特に脇システムはハマると一発だし一気に終盤までなだれ込んでいく。知っておいて損はないし、知っているからこそ引きずり込んでいくこともできる。今までこれらの戦法についてはあまり光が当てられていなかったので、『定跡外伝』感覚で読むこともできるだろう。

とはいっても『定跡外伝』よりもはるかに読みにくいことは約束できる(<してどーする)。本書も、やはり自信がない人は手を出さない方がいい。もっとわかりやすく書かれた本はいっぱいある。本書ほど詳しく書き込まれた本がないのは寂しい限りだが……。

作成日:2002.03.15 
矢倉

青野照市のノックアウト四間飛車

青野照市のノックアウト四間飛車
著者 :青野 照市
出版社:フローラル出版
出版日:2002-02-01
価格 :¥1,991(2024/08/31 17:04時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

急戦の大家である著者が、どちらかというと級位者向けに書いた本。とはいえ、新鷺宮定跡の新変化(当時ね)も載っていたりするから油断できない。
形は鷺宮定跡を基本として、それの変化としての▲4六銀左戦法をフォローしている。

面白いと思ったのは、一応定跡の解説を終えたあと「ここからはこんな感じに指していけばいいよ」という指針を書いていること。初段までくらいの人には嬉しい配慮だろう。
本書の内容が理解できれば、対四間飛車に関しては初段くらいまでは簡単にいくと思う。変化も多いので、とりあえずこれ一冊あれば問題ない。カバーをかけないと電車の中では読むのが恥ずかしいかもしれないが。

ただ、この本、作りがヒドい。
誤字も多いし、図面の位置も中途半端で読みにくい。白砂は立ち読みで済ませたのだが、非常に読みづらかった。この図面の成桂を見てブン投げたくなった人も多いだろう。
聞いたこともない出版社なのだが(すんません)、もう少し真剣に棋書というものを考えてほしいものだ。

作成日:2002.02.28 
四間飛車

第十四期竜王決定七番勝負

竜王決定七番勝負 第14期: 激闘譜
著者 :読売新聞社
出版社:読売新聞社
出版日:2002-02-01
価格 :¥4,184(2024/08/31 14:50時点)
r1(評価:級位者)
r2(評価:初段~三段)
r3(評価:四段以上)

2年連続で藤井-羽生の対戦となった第14期竜王戦の観戦記を集めたもの。四間飛車の定跡を創るシリーズでもあったと思う。白砂もネット中継にかじりついていたクチである。

しかし、こういう企画というものは「今まで書いたものをただ集めるだけ」でなんの工夫もない。もう少しいろいろと考えてもいいと思う。せっかくの好カード、名局なのにもったいない。

作成日:2002.02.22 
実戦譜集
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