相振り飛車基本のキ
『新・振り飛車党宣言!』などでも知られる振り飛車党の書いた相振り本。
内容は、
- 第1章 金無双・美濃囲い編
- 第2章 矢倉・穴熊囲い編
- 第3章 その他の戦型
- 第4章 ポイントチェック
となっている。基本的な相振りの形はほぼ網羅されているといっていいだろう。
ガイドに徹し、ポイントを絞って解説していることから、とても判りやすく感じた。少し「矢倉原理主義」的なところがあるかなぁという気がするが、これは逆に白砂が振り飛車における矢倉をそんなに信用していないからかもしれない(笑)。
相四間飛車や原始中飛車対策など、ちょっとレアだけどアマチュアではありそうな形についてもきちんと触れられており、基本だけではあるが本当にこれ一冊で相振りの基本は押さえられると思う。
あえて文句をつけるなら、だが、原始中飛車(同じマイコミから本が出ていることもあってか『ワンパク中飛車』と言われている)で角道はそんなにすぐに突かないだろう。△3四歩(実際は先手で▲7六歩)と突いているため、△5六歩▲同歩△同飛には▲2二角成△同銀▲6五角と反撃されてしまっている。本当の原始中飛車は△5四歩△5二飛△5五歩△5六歩といきなり攻めてくるものだろう(笑)。
あと、各章のことを「ステップ○○」と呼んでいるのも少し気になった。続きになっているものもあるが基本的に各章は独立しているので、ステップとは言い難い。もう少し違う名前の方がいいと思う。細かすぎで申し訳ないが、気になると気になるもんなのよ(←日本語がヘン)。
そんな重箱の隅を突く話はさておき、本当によくまとめてあるので、せっかく5段にもなっていることだし(執筆当時は4段)、最新の変化も加えて2かなんかを出してくれるととても嬉しい。
絶版なので手に入れられないのがもったいない良書だと思う。相振り飛車を指したいのであれば、初段くらいまでは特にお勧めである。