相振り飛車の戦い方を判りやすく解説した本である。特に二、三段くらいの人にはぜひとも読んでほしい。初段以下ではちょっと辛いかもしれない。 超急戦のハメ手三間飛車に始まって、向かい対三間、四間対三間、対穴熊など、基本的な戦形は全て網羅してある。また、対向かい飛車の△7四歩対策についても解説してあり、高段者にもためになる一冊である。 プロではあまり指されることのない相振りだが、竜王戦での藤井の指し手を見ても判る通り、実際には相当研究が進んでいるものと思われる。本書はそんなプロの研究の一端が垣間見え、ためになる。
『相振り革命』の帯にはこう書いてある。「棋界初の本格的最新相振り飛車ガイドブック」 細かい話だが、これは「ウソ」である。『相振り革命』の発行が1995年10月15日、それより遡ること8年前の1988年7月10日に世に出たのが、本書である。 本書には『相振り革命』で書いてあることのほとんどが書かれている。非常によく整理されており、形も豊富である。もし絶版になっていなければ、ぜひとも入手してほしい一冊だ。 特に中盤戦での端の手の作り方、それぞれの囲いの破り方などは参考になる。 級位者から高段者まで、どの棋力の人にも楽しめると思う。
『相振り革命』の帯にはこう書いてある。
「棋界初の本格的最新相振り飛車ガイドブック」
細かい話だが、これは「ウソ」である。『相振り革命』の発行が1995年10月15日、それより遡ること8年前の1988年7月10日に世に出たのが、本書である。 本書には『相振り革命』で書いてあることのほとんどが書かれている。非常によく整理されており、形も豊富である。もし絶版になっていなければ、ぜひとも入手してほしい一冊だ。 特に中盤戦での端の手の作り方、それぞれの囲いの破り方などは参考になる。 級位者から高段者まで、どの棋力の人にも楽しめると思う。
「相振り飛車にツヨくなれ」を書いた小林八段の本。 同じネタで二つも書くなよ……。 内容は前2書で十分に足りる。逆に言うと、本書があれば前2冊は必要がないのだが、本書は少々カタログ的のため変化の底が浅い。 どうも小林八段の本は、スーパー四間飛車シリーズにしてもそうだが回を重ねる毎に質が落ちている気がする。カタログも必要だとは思うが、アマ高段者に必要なのは詳細な変化の述べられた突っ込んだ本だと思うのだ。なんだかだんだん「高段者の書いた定跡本」になっていくようで寂しい。 とはいえ、級位者にとっては役に立つ本だと思う。現役諸君は、これを読んで一つでも多くの知識を蓄えてほしい。特に振り飛車党には必携である。
前作では穴熊について解説した鈴木大介が、今度は相振り飛車を解説してくれた。鈴木流は健在なので、本書だけで相振り飛車は指せません(笑)。 ▲7六歩△3四歩▲6六歩△3五歩から始まる向かい飛車対三間飛車の形から、基本的な金無双に組む形と、後手が穴熊・美濃に組む形を解説している。 正直言って、杉本本と小林本があれば本書はいらないと思う。特に小林本とはカブるところが多い。 まさか同じライターとか言うなよ……(笑)。
前作『相振り革命』で緻密な研究を披露してくれた著者の、相振り続編。絶版の嵐が吹き荒れる毎コミ本の中で、いまだに発売されているという事実が良書であることを物語るだろう。 今回は相振り飛車定跡本では珍しい美濃囲いに焦点を当てている。 矢倉に対して美濃に囲って速攻を仕掛ける順や、▲7六歩▽3四歩▲6六歩に▽3三角という手順から向かい飛車にする後手3三角戦法など、すぐに実戦に生かせる定跡である。しかしそれだけに、ある程度「相振り飛車とはこんな形で……」という形や手順を知っていないと読みこなすのは辛いかもしれない。
前作に続いての続刊。もう商売のうまさには声が出ない(笑)。 なぁんて貶してはいるが、今回はなかなか面白く書いてある。最初の金無双編から△5三銀型や△3三銀型を取り上げたり、果ては相振り相矢倉、対穴熊左玉(高田流のような形)まで、なんだこれはビックリ人間ショーか!?(<古いよ)というくらい珍しい戦形が集めてある。 変化の底は浅いので、面白がって見るだけにしておいた方がいいとは思うが(笑)、うまく自分なりに使いこなせれば相振りが楽しくなるかもしれない。最近の小林本には珍しいが、素直に「面白いから読んでみ」と薦められる本になっている。
先手の立場に立って相振り飛車の指し方を解説する本。 こう書いてしまうと「後手の立場は?」と、なんだか身も蓋もない感じになってしまうが仕方がない。事実である(笑)。 後手が中飛車の時は三間飛車で、それ以外は向かい飛車にするのがいい、というのが著者の主張で、それに沿って解説が進んでいく。相も変わらず鈴木流の解説方法は健在で、変化の底はほとんどない(爆)。一応、オリジナルという部分もないとは言わないが、読んだすぐ後でも「あれ、どこだっけ?」と思ってしまうくらいで、要するに従来の定跡書と変わりない。 ……と、どうも白砂は鈴木大介に冷たいんではないか? という言葉が続くが(笑)、逆に考えると従来の定跡書では難しすぎるという級位者にはもってこいの入門書になりうる。本書を読んだだけで勝ち続けられるなどととは口が裂けても言えないが、本書が理解できれば毎局が楽しくしかもそこそこ勝てるだろう事だけは約束する。 難しい相振り飛車の「形」だけをうまく抜き出した本だと思う。