実戦譜集


   花村流実戦将棋
著者名花村 元司/著

級位者
出版社名土屋書店 初段〜3段
価格680円 4段以上
感想

 花村九段の書いた自戦記。
 ファンだから買っただけで、そうでなければ単なる自戦記として読みもしないだろう。1976年の本である。題材も古い。
 ちなみに、私はこれを帯広の古本屋で買った。新婚旅行の最中である。
 その時は確かなんやかやで5000円分くらいの古本を買ったと思う。ついでに言うと、その時に買った一番怪しい本は『幻のツチノコを探せ』である(爆)。

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   東海の鬼
著者名

級位者
出版社名 初段〜3段☆☆
価格 4段以上☆☆
感想

 花村九段追悼記念として出版された本である。
 随筆と実戦譜解説で綴られており、特に実戦譜は花村流の面目躍如で十分に楽しめる。勉強として読むのではなく、楽しむために読んでほしい。
 個人的に一番気に入ったのは米長の書いた文章。

 花村九段は下戸で、酒は全然飲めないらしい。ところが珍しく呑んで酔っ払って、みんなが麻雀をしている横で寝入ってしまった。
 ところが。
 しばらくすると突如「キョウコ、イクヨ」と叫んだらしいのだ。
 寝言である。ちなみに、京子とは奥さんの名前。一体どんな夢を見ていたんだか……。
 ところがところが、麻雀を打っていた面々、後ろで見ていた米長らは花村九段の体内、というか体外の異変に気づく。なんと、その寝言と共に「夢精」をしたというのだ。時に花村50歳。
「50にしてこの若さ。あの元気な大先生がこんなに早く逝く(白砂注 シャレか?)とは私にはとても信じられないことであった」
 と、米長の文章は結ばれている。

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 森下の矢倉
著者名森下 卓/著

級位者☆☆
出版社名毎日コミュニケーションズ 初段〜3段☆☆☆
価格2000円 4段以上☆☆☆☆
感想

 森下八段の出した矢倉の実戦集。
 なんで買ったんだろう……。

 多分、花村九段の弟子、ということで、森下八段には注目していたのだろう。棋界通なら「花村の平手千局ぶつかり稽古」はよく知っているだろう。

 内容はと言えば「実戦集」としか言いようがなく、自戦記が50局と棋譜がたーんと載っている。
 これを並べて、それで急所をつかんで理解できる棋力の人には薦められる。もちろんそんなのは高段者に限られるだろうから、そのために評価はこうなっている。
 実戦譜はこういうものだということは判っているのだが、級位者にも判りやすい実戦譜というものはないのかなぁと、これを書くにあたってちょっとだけ考えさせられた。

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 実戦の振り飛車破り
著者名郷田 真隆/著

級位者☆☆☆
出版社名日本将棋連盟 初段〜3段☆☆☆
価格1200円 4段以上☆☆☆
感想

 てっきり定跡書だと思っていたのだが、郷田の実戦譜を元に振り飛車を攻略する方法を解説するというものだった。なので「対振り飛車」ではなくてこちらに入れている。

 実際のところ、実戦譜を元に振り飛車破りを解説するというのがどれくらい役に立つかは疑問だと思う。白砂自身が「本で将棋を覚えた」タイプだから仕方がないとも思うのだが、その辺がどうも判らない。
 特に、郷田である。まぁ、郷田だから実戦譜を見たいという要求もあるのだと思うが(そしてそれが発刊の理由だと思うのだが)、できればトッププロであれば理論的な定跡として振り飛車悪しを証明して欲しいと思う。
「振り飛車悪し」は大袈裟だが、本のコンセプトが振り飛車破りなのだから、それくらいはしてもいいんではないだろうか。

 郷田の本、ということで期待したのと、そのギャップが大きいためにやや点が辛くなっているのかもしれないが。

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 相振り飛車の正体
著者名森 鶏二/監修 宮崎 国夫/著

級位者
出版社名大本書店 初段〜3段☆☆☆
価格3600円 4段以上☆☆☆☆☆
感想

 高い。

 とにかく高い。なんでこんなに高いんだ。

 非常に高度な内容であり、力作であることは認める。しかし、3600円はなんぼなんでも高すぎると白砂は思う。

 内容は、相振り飛車の実戦181局を集めてそれに詳細な解説を加えたものである。しかし、いきなり実戦譜が並ぶので、相振りの「形」を知らない級位者は読んでも意味がないと思う。
 また、図面は少なく、全編を指し手が覆う(笑)。盤駒は必須と考えていいだろう。これだけで、初段前後の人は辛いかもしれない。
 本書はあくまでも、「更なる研究用」の本だと思う。

 もう少し値段が安ければとも思うが、例えば半額に下げたとしても2倍の売れ行きにはならないと思う。そう考えるとこの価格設定は仕方がないのかもしれない。
 むしろ、実戦集をサブにして定跡講座をした方が売上は伸びそうな気がするのだが……。

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 康光流四間飛車破り 居飛車穴熊vs藤井システム
著者名佐藤 康光/著

級位者☆☆
出版社名日本将棋連盟 初段〜3段☆☆☆☆
価格1200円 4段以上☆☆☆
感想

 佐藤自身の実戦から居飛車穴熊対藤井システムの将棋をピックアップし、振り飛車破りの奥義を伝授する本。

 ……というと聞こえはいいが、申し訳ないが白砂には「売らんかなの本」にしか見えない。ホントに申し訳ないが。
 やっぱり、白砂は実戦譜集に対しての評価が低いんだと思う。それは否定しない。でも、「ここで▲7七桂としたのは疑問で、▲7七銀は少しおかしかった」と言われて、その後の変化がさらっと流されて、その疑問の後の指し手が延々と続くというのは納得できない。
 いや、そういうの(本)も必要だとは思う。しかし、わざわざ「康光流振り飛車破り」と、トッププロの名前を挙げておきながら実戦譜だけでお茶を濁すと言うのはなんだか厭だ。もっとも、実戦譜集はトッププロの名が冠されていなければ誰も買わないだろうから、仕方がないのだが。
 研究は若手、トッププロは実戦譜、というのはなんだか寂しい。せっかくトップにいるのだから、その研究を見せて欲しいと思う。でもまぁ、研究は若手の方が熱心か……(笑)。

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 将棋名人戦 第60期
著者名毎日新聞社/編

級位者☆☆
出版社名毎日新聞社 初段〜3段☆☆
価格 1,800円 4段以上☆☆☆
感想

 なんか「小物同士の対決」っぽかった名人戦の(ファンの人ごめん)観戦記を集めたもの。特別に編まれたものではなく、新聞に載ったのをただ集めただけ(に見えるんだけど……違うのかな?)という構成は、個人的にはあまり好きになれない。観戦記時点では結論が出なかった形に新型が出るとか、いろいろ観戦記−出版までには間があるわけで、その間を全く埋めない手抜きの構成はどうかと思うのだ。
 まぁ、竜王戦なんかもこの形式は踏襲しているようだが、むちゃくちゃ言っちゃえば、タダで読めていたものを集めただけで1800円というのは詐欺だろー(笑)、とまで思ってしまうのだ。

 将棋自体は、そこそこに面白かったと思う。
 全体的に(第3局の大トン死を含めて)丸山名人に読み抜けが多かったような気がするが、当時随分と不調説が囁かれていたし仕方がないのかもしれない。それよりも包み込むような全体を細やかに読んでいる森内新名人を誉めるべきだろう。
 ある程度定跡の最先端を行っていた部分はあるので、有段者はそこら辺を追いかけるのが楽しみになるかもしれない。図面は全体的に少ないので、できれば盤駒を出して並べていただきたい。

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 第59期将棋名人戦・順位戦 パーフェクト
著者名毎日新聞社/監 弦巻 勝/撮影

級位者
出版社名毎日新聞社 初段〜3段
発行年月/価格2001.8/6,476円 4段以上
感想

 

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 将棋名人戦 第59期
著者名毎日新聞社/編

級位者
出版社名毎日新聞社 初段〜3段
発行年月/価格2001.8/1,800円 4段以上
感想

 

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 谷川浩司全集 平成11年度版
著者名谷川浩司/著

級位者
出版社名毎日コミュニケーションズ 初段〜3段
発行年月/価格2001.12/3,000円 4段以上
感想

 

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 竜王決定七番勝負 激闘譜 第14期
著者名読売新聞社/編

級位者☆☆☆
出版社名読売新聞社 初段〜3段☆☆☆
発行年月/価格2002.2/1,600円 4段以上☆☆☆
感想

 2年連続で藤井−羽生の対戦となった第14期竜王戦の観戦記を集めたもの。四間飛車の定跡を創るシリーズでもあったと思う。白砂もネット中継にかじりついていたクチである。

 しかし、こういう企画というものは「ただ集めるだけ」でなんの工夫もない。もう少しいろいろと考えてもいいと思う。せっかくの好カード、名局なのにもったいない。

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 将棋倶楽部24万局集 棋譜データベース
著者名久米 宏/著

級位者☆☆☆
出版社名ナイタイ出版 初段〜3段☆☆☆☆
発行年月/価格2002.3/6,476円 4段以上☆☆☆☆☆
感想

 最近はネットで将棋を楽しむこともできるようになったし、棋泉や柿木のデータベースに棋譜をぶち込んで研究に生かす人も出てきた。まさに電脳研究(笑)の時代に突入したわけだが、そんな中、ネット将棋最大手の将棋倶楽部24が24万局という膨大なデータ集を発売した。

 なんといっても本書(?)のウリは、アマ強豪の棋譜がたくさん収録されていることだ。プロの場合、指し手は相手の狙いを殺す方向に走りがちだし、少しの有利でも「有利」と考えたりするところがあるので微妙な機微はアマチュアには判りにくい。それよりは、同じアマチュアであるアマ強豪の棋譜の方が参考になるかもしれない。
 また、当然のことながら変態戦法もたくさん載っている。定跡書の少ない形でも、数百局単位で棋譜を手に入れることができる。有段者にとっては、この素材だけで十分すぎるほどの研究ができるだろう。

 おそらく図書館に行けば本は置いてある。コピーはやろうと思えばできるが、それは著作権法違反になるのでやらないように(←図書館職員より)。

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 先ちゃんの順位戦泣き笑い熱局集
著者名先崎 学/著

級位者☆☆☆☆
出版社名日本将棋連盟 初段〜3段☆☆☆☆
発行年月/価格2000.8/1,500円 4段以上☆☆
感想

 著者の文才が余すところなく生かされている本だと思う。
 いろんな意味での連載ものの「縛り」から逃れて、好きなことを好きなだけ時間をかけて書いた感じがする。
 白砂はあんまり著者を評価していないのだが(すんません)、それでも、十分に面白く読めた。

 ただ、ちょっとツクリが豪華すぎる気がする。もう少しチープな作りにして、値段を1200円くらいにすればもっと売れたと思う。そんなに何回も読みたいと思うものではないので。

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 将棋名人戦 第58期
著者名毎日新聞社/編

級位者
出版社名毎日新聞社 初段〜3段
発行年月/価格2000.8/1,600円 4段以上
感想

 

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 谷川VS羽生100番勝負 最高峰の激闘譜!
著者名日本将棋連盟書籍/編

級位者☆☆
出版社名日本将棋連盟 初段〜3段☆☆☆
発行年月/価格2000.9/2,800円 4段以上☆☆☆
感想

 今後の将棋界がどうなっていくか判らないのでなんとも言えないのだが、谷川と羽生、というのは、現代に残った最後のライバルなのかもしれない。もう、他の棋士をこうやって○○vs○○、という風に煽る(笑)ことはできないだろう。
 その両者の対局のみを集めた実戦譜集である。

 踏み込んでいくタイプの両者であり、かつ、第一人者同士の戦いである。棋譜がそのまま定跡になった、なんていうことも少なくない。そういう意味では、歴史を探るという面だけでなく、定跡を勉強するという点からも意味がある本だろう。
 解説もそこそこ多いので、初段くらいあれば盤駒を出して読めると思う。少し古い本ではあるが、やってみて損はない。一度は目を通してみてほしい。

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 村山聖名局譜
著者名羽生 善治/著 先崎 学/著

級位者☆☆☆
出版社名日本将棋連盟 初段〜3段☆☆☆
発行年月/価格2000.11/2,800円 4段以上☆☆☆
感想

 羽生と先崎という同世代の棋士が、「怪童 村山聖」の棋譜を解説した本。対談形式になっており、これはかなり作るのが大変だったのではないかなと思った。
 企画自体が棋士にスポットを当てているというものなので、そういうのが好きであれば一度目を通しておくのも悪くないと思う。裏話的なものもいろいろ入っているので楽しめるだろう。
 個人的には、村山企画は「おなかいっぱい」な感じがするので一度しか読んでいない。正月の藤原竜也で燃え尽きた(笑)。

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 竜王決定七番勝負 激闘譜 第13期
著者名読売新聞社/編

級位者
出版社名読売新聞社 初段〜3段
発行年月/価格2001.2/1,500円 4段以上
感想

 

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表紙画像  森下の対振り飛車熱戦譜
著者名 森下 卓/著

級位者 
出版社名 毎日コミュニケーションズ 初段〜3段 
価格2000円 4段以上 
感想

 

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 第十五期 竜王決定七番勝負 激闘譜
著者名読売新聞社/編

級位者 
出版社名読売新聞社 初段〜3段 
発行年月/価格2003.3/1,700円 4段以上 
感想

 

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 将棋名人戦 第61期
著者名毎日新聞社/編

級位者 
出版社名毎日新聞社 初段〜3段 
発行年月/価格2003.7/1,800円 4段以上 
感想

 

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 新 谷川浩司全集 2
著者名谷川 浩司/著

級位者☆☆
出版社名毎日コミュニケーションズ 初段〜3段☆☆
発行年月/価格2004.1/1,500円 4段以上☆☆☆☆
感想

 谷川の棋譜を集めた本。自戦記編と実戦譜編があり、自戦記が15局、残りの44局は棋譜+手の解説といった構成になっている。

 サブタイトルに「平成13年度版」とあるように、平成13年度に指された将棋が載っている。少し仕事が遅くないか? という気もするが、一応「自戦記」ということらしいので、それだけ時間がかかってしまったということだろう。
 内容そのものは面白く読めた(個人的に谷川の文章は嫌いではないので)。が、タイトル戦の将棋などはあっちこっちで語られ尽くされているので、もう飽きたというかお腹いっぱいというか、うーん……やっぱり少し出版を早くした方がよかったと思う。
 この本の内容をこの時期に出したとして、これはきっと谷川ファン以外には買わないよねきっと。
 もう少し、できればあと半年早ければ、棋界展望といった趣がないわけではない(なんだかんだ言ったって谷川は棋界の中心にいたんだし)ので、別の需要が喚起されたと思う。

 完全に「ヲタ向け」と割り切っていると思うので、売り上げの心配なんてのは野暮な話かもしれないのだが(笑)。

(2004.2.10 記)

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 竜王決定七番勝負 激闘譜 第16期
著者名読売新聞社/編

級位者
出版社名読売新聞東京本社 初段〜3段
発行年月/価格2004.2/1,700円 4段以上
感想

 

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