１図はゴキゲン中飛車基本図。
今までは▲２四歩、▲４八銀、▲２二角成、▲５八金右などの対策が知られていた。白砂が知っているのは▲５八金右までで、これは竜王戦で散々でてきた手だ。ゴキゲン中飛車が後手番の時は強く攻め込んで勝ちらしい。なんでも端歩の違いで詰む詰まないになるようだ。
で、最新の対策はと言えば、ここで▲７八金とする手なのだ。
なんだって中飛車に対して▲７八金？ という気もするが、一言で言うと銀にヒモをつけるということらしい。例えば、２図で△５五歩と指すと▲２四歩△同歩▲同飛△５六歩▲同歩△８八角成▲同銀。この時、８八の銀にヒモがついているので△３三角がない。
なので、この形では△８八角成ではなく△５六同飛とするが、図太く▲６九玉とする。△５七飛成には▲２二角成で勝てるという読みである。結局△３二金▲４八銀（３図）と進展するのが相場だが、これは随分先手が頑張った感じだ。
この後もいろいろあるのだが、それは長くなるので割愛。
しかし、奇襲・変態戦法と見られていたゴキゲン中飛車だが、ここまで研究が進んでいるとは思わなかった。自分が研究をしていなかっただけなのかもしれないが、少し驚いた。というか、なんか夢が壊れた気分だ（笑）。
そういえば、この戦法は確か有森が指していたんだよなぁ。『消えた戦法の謎』にはそんなことが書いてあった。
あの時の指し方はもう通用しないんだろうか……？