将棋コラム


  妙防(泣) Date: 2004-09-14 (Tue) 
 前回の続き。

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 上図は詰将棋。
 作為手順……というか余詰ばっかりなんで詰め手順と言い直そうか。は、▲4八銀△同玉▲4三飛△4五桂合▲同飛成△5九玉▲6八銀△同玉▲1三角△5七桂合▲4八飛成△7七玉▲8九桂△8六玉▲7五銀△同玉▲5七角成……の順。
 太字の部分、なんで桂合でないといけないのか、というメカニズムについては前回分を読んで欲しい。新しいことを書くと、これは『柿木将棋7』でも読めなかった(PCスペックは、CPU P4-1.6G MEM PC2100-1.5G)部分で、結局人間がある程度手順を入力してやらないといけなかったのだ。つまり、桂合のメカニズムそのものは白砂が自力で発見した。裏づけは『柿木将棋7』だったけども。

 この時の感動がどれほどのものだったか。

 ところが、子細に検討していくと余詰の嵐。形が命の作品なだけに、白砂は泣く泣く諦めてしまった。

 ところが先日。
 後輩の塚本から、社会人リーグの誘いがあった時のこと。
 この図の話になり、「この手順は捨てがたいから、なんとかならないのか?」と言われた。なんとかったってこれはこの図だからこそだから、変更は利かない。それを話したのだが、多少価値は下がっても1、2枚の駒を置くことで完全作になればそれでいいんじゃないか? と主張された。
 そう言われてみれば、形として崩れない程度の駒置きであれば、なんとかなるかなぁ……。
 思い直して、再びこの図面に向かった。

 しかし、なかなかうまく行かない。
 どう駒を置いていいのかというのもそうなのだが、▲8九桂△8六玉あたりまで来ると、詰方の勢力が強いので「詰みすぎ」てしまうのだ。
 かといって、▲4三飛と▲1三角を打てない配置には駒は置けない。だから例えば△3三桂とか△2四歩とかはダメ。序盤には目立たず、上へ追い上げた中盤すぎになると光ってくる駒配置。そんなうまいことをやらないといけないのだ。
 いろいろ試してみたのだが、どうもうまくいかない。

 そんなある時。
 忘れもしない土曜の朝。というか昼。
 少し遅く起きて顔を洗っている時、ふと厭な筋が閃いた。
 なんで思いついたのかよく判らないのだが、頭の中で検討すればするほど、その厭な予感がどんどん現実のものになっていく。

 洗顔もそこそこに、PCの前へ。
 思いついた厭な手順を並べていく。

 ▲4八銀△同玉▲4三飛△4五桂合▲同飛成△5九玉▲6八銀△同玉▲1三角△4六桂合(第2図)

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 焦点の捨合である。

 理由は図を見れば一目瞭然だ。▲4六同角成△5七桂合(第3図)とすれば、▲4八飛成とできない……。

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 第3図を『柿木将棋7』にかけてみた。
 69分後、無常にも「不詰めです」のダイアログが表示された。

くそぅこれでも詰まねぇのかよ(泣)

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