7七桂戦法4五角戦法の一変化

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『将棋世界』2004年1月号の「タカミチの実戦コーナー」のテーマが角交換四間飛車で、7七桂戦法4五角戦法に似た形が出ていたのでその将棋を。

第1図は先手が▲6五角と打ったところ。
もうほとんどそのまんま4五角戦法だ。

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ここから、△7二玉▲3二角成△同銀▲2二金△5四角▲1一金(第2図)と進んだ。
▲1一金しかないようでは4五角戦法は失敗だろう。

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この辺について、解説では「予定は▲2三金からの飛先突破だったと思われる。が、▲2三金だと、△7六角▲3二金△同角▲2二飛成の瞬間に△8七角成」(第3図)で先手が悪くなると言っている。なるほど、第3図は確かに先手が悪そうだ。

しかし……と、白砂は思う。
ホントかいなこれ、と。

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何度も言うようだが、確かに第3図は技が決まって後手よしだと思う。しかし、第3図の直前、先手の指し手は▲2二飛成だけなのだろうか?

▲2二飛成の直前が第4図である。

例えば、ここで▲2四歩はないか?
△2二歩なら、▲3一銀から▲2二銀成として▲2三歩成、といった感じで攻める感じだ。やられるとちょっと厭なのではないだろうか?

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しかし、よく読んでみるとこの変化は大丈夫そうなことが判った。

▲2四歩には△2二歩と受け、▲3一銀△4四飛▲2二銀成△5四角(第5図)と全部逃げる手があった。

▲2三歩成には△4六歩▲同歩△2七金と飛車を詰ます手がある。▲同飛△同角成がまた4九の金に当たっているし、これは後手がよさそうだ。と金を作って桂馬を取るくらいでは全然攻めにならない。

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また、第5図で△2七金を防いで▲3八金としても、△4六歩▲同歩△同飛▲4七歩△7六飛▲7七歩△7五飛(第6図)で、2二の成銀と2四の歩が重い駒になっている。これも後手が指しやすいだろう。

というわけで、第4図で▲2四歩はなさそうだ。

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もう一つ考えたのは第4図で▲3一銀。
これまたクソ重い手で筋が悪そうなのだが、意外と厄介だと思う。

▲3一銀に△4四飛は▲2二飛成が角桂両取りなので△6二飛の一手だが、そこで▲2二飛成(第7図)とすればアラ不思議、今度は△8七角成がない(笑)。

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しかしまぁ、第7図から△2一金▲3三龍△3一金として、▲4四桂に△5五角と反撃するくらいでも後手が十分だろう。

△5五角に▲3二桂成は△同金▲5三竜△9九角成▲8八銀△9八馬(第8図)だし、▲8八銀は△4二金▲3二桂成△3三金▲同成桂△同角(第9図)だ。

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以上、いろいろと考えたのだが、やっぱり第4図は先手がまずそうだ。
とすると実戦通り▲1一金の一手となるが、これなら後手が十分の展開だろう。

これで4五角戦法の一角を崩したことになればいいんだけど……。