1図はよくある四間飛車対右四間飛車の将棋。後手が趣向を凝らしていきなり△6四歩と突いていくとたいていこういう格好になる。「俺はすぐに▲6五歩と乱戦にするからこうはなんないよ」という声は置いといて(笑)、ここで穏やかに▲4八玉と指すとどうなるか?
第1図からの指し手
▲4八玉△4四歩▲3八玉△4五歩▲2八玉△4二玉▲3八銀△3二玉▲5八金左△5二金右▲7七角△1四歩▲1六歩△4四角(2図)
△4四歩と突いて玉頭位取りにするのが後手の趣向。△4四歩にさすがに▲4六歩はないだろうから、この進行はだいたい妥当なところだろう。本譜は無関心に玉を囲いあったが、先手としてはなかなか攻めにもいけないので仕方がないと思う。これも序盤突っ張って5四銀型を作った効果である。
2図となっては狙いは明らかで、もう後手は先手玉しか見ていない。あとは△3三桂△4二金直△2二銀△1二香として飛車を1筋にぶん回して端攻めである。7筋から攻めてくれば△7二飛と回って△7一飛~△1一飛だし、6筋から攻めてくれば△6一飛~△1一飛だ。とにかく「攻めてくる筋に飛車を回っていったん受けて、あとは飛車を引いて1筋に持っていく」ことだけを考えればいいので大変ラクである。
こんなんなるのかなぁ……という気もするが、最近の四間飛車は右四間に対して▲5六銀あるいは▲5六歩としない指し方が流行しているので大丈夫だと思う。
久しぶりに大学に行った時に後輩が指していた戦法なのだが、非常にユニークだと思う。対四間飛車に悩まされている人は一度指してみてはどうだろう。