最近、少し実戦から遠ざかっているのだが、その代わりというわけではないが詰将棋だけは解くようにしている。『週刊将棋』の「詰将棋ロータリー」の部分を切り取って、暇な時に眺めるようにしているのだ。
この切り抜き、切り取る時にヒントの部分も切ってしまうのがポイントで、こうすることによって難しさがワンランクアップする。ヒントに「桂がトドメ」とかあると、どうしたって持駒の桂を使う時は考えちゃうし。唯一のヒントが作者名というのもなんだが、それでも十分ヒントになってしまうから面白い。
で。
この「詰将棋ロータリー」には伊藤果の他に本間博や中田章道なども作品を発表しているのだが、ここのところどういうわけか伊藤果ばっかりになっている。
非常に異次元の詰将棋ばかりで困る(笑)。
第1図はその中の一つ。一つくらいなら掲載しても怒らないよね。
最初に考えたのは▲3四金と捨てる手で、△同銀なら▲2二金△同玉▲3二金△1三玉▲1一飛成△1二金▲同龍△同玉▲2二金打△1三玉▲1二金打(第2図)で詰む。
ただし、この手順だと香が余るので、本手順ではないのだろう。
が、▲1一飛成として、金合あるいは飛合を強要させて詰ます、というのが一つのポイントとなる(と思った)。この金の並びもいかにも伊藤果っぽいし(笑)。
▲3四金はそういうわけで△同玉の一手。そこで▲4五金△2三玉(第3図)と押さえて逃げ道を塞いでから、さてどう詰ますか……と白砂は考えた。
ここから▲2二金△同玉▲3二金△1三玉▲1一飛成△1二金合の展開は、金が1枚足らない。
うーん……。
逆に、先に▲2二金△同玉▲3二金(第4図)というのはどうだろう?
しかし、△2三玉の時、今度は先程と違って▲3四金△同玉▲4五金(第5図)とできない。3一の飛車の利きが通っていないからだ。この「3一飛の利きがないと▲4五金は指せない」というのもポイントだろう。もっとも、それ以前に第4図は△1三玉でも詰まない気がするが(笑)。
うーん困った。
こんな時、ヒントになるのか作者名。
伊藤果でしょー。
ただそれだけで▲2二金△同玉▲2一金(第6図)とベッタリ金が打てるから不思議だ(笑)。
△2三玉には▲3二飛成(第7図)がある。
取れば▲2二金打だし、△3四玉は▲4五金だ。
ここまで判ればあとは簡単で、正解手順はいったん△1三玉と逃げ、▲2三金△同玉▲3二飛成。手順を整理すると、▲2二金△同玉▲2一金△1三玉▲2三金△同玉▲3二飛成△同玉▲2二金打までの9手詰となる。
筋悪く打つ▲2一金が伊藤果流とも言える異能の金打ちだった。
まぁ、ストックは十分にあるので、まだまだ楽しめそうだ。
ところが。
こないだ葬式に出た時、ヒマだったので詰将棋を考えていた(←一応、頭の中でね)。どうもその時、凄い不機嫌な顔になっていたらしく、その後すぐに妻から「外で詰将棋解くの禁止」令が出てしまった(爆)。
そんなに凄い顔して考え込んでたのかなぁ……。