デミリッチの多面張理論

第1章 基本編その1

 ここでは、多面張を考える前に最も基本的な形についての考察と、用語の定義などについて書きます。
 前提となる手牌はあくまで「聴牌している手」ですが、聴牌について理解できれば1向聴の受けを考えるときなどにも応用できます。

(1)1枚形の基本聴牌形

 待ち:単騎待ち

 いうまでもなく、単騎待ちです。
 4面子または6対子が既に出来ていて最後の対子を求める形です。形は単純ですが、ほとんどの多面張を作る種になるので重要です。

 もちろん、全体では

 などの形になるのは当然ですが、以下の説明では基本的に聴牌形の部分だけ書くことにします。

(2)4枚形の基本聴牌形

 待ち:リャンメン待ち

 待ち :ペンチャン待ち

 待ち :カンチャン待ち

 待ち:シャンポン待ち

 これらはいずれも雀頭は既にあり、1面子を最後に求める形です。
 シャンポン待ちの場合だけは必ず雀頭は不確定ですが、リャンメン・ペンチャン・カンチャンは雀頭確定の場合も多い(必ず、ではない)です。

 さて。
 ここで、「リャンメン待ちなんかは2枚でできるから、4枚形というのは変なのではないか?」と考えた人はいないでしょうか?

 けれども、ここは「両面・嵌張・辺張は2枚形にあらず」と考えて下さい。雀頭(ここでは)も待ちの一部と見るのが合理的なのです。
 というのは、ここで例えば

 というリャンメン待ちにツモ、切りとすると、

 となります。
 これはシャンポン待ちで、先程までただの雀頭だったが待ち牌に含まれることになる。
 これを「リャンメンは2枚形だ」という考えでいると、上記のようなシャンポンへの切り替えの時、雀頭の存在をフォローできなくなります。したがって、たとえ現在は雀頭が固定されているリャンメン待ちなどであっても、基本形は4枚とするべきなのです。

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