デミリッチの多面張理論

第2章 初級編その6

(6)単騎に刻子をくっつける

 順子があれば刻子もある。というわけで、今度は単騎に刻子をくっつけてみます。

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 刻子の守備範囲は、その牌の左右2つの範囲(5ケン)までになることがわかります。順子と違って1つ離れていてもカンチャンが作れるので、ある意味で守備範囲が広いと言えます。
 また、

テンパイ形から3つ(スジ分)以上離れた単独の刻子は、そのテンパイに何の影響も及ぼさない。

 こともわかります。

 更に、刻子をくっつけた場合には、その単騎のスジとは違うスジの待ち(ここでは以外)が加わることもわかります。逆に、順子のときのように同じスジの待ちが延びて加わるということはありません。
 これも、順子のときと同じく2パターンあります。

(a) 単騎待ちの隣に刻子を付ける場合

 に対してまたはと付けるとき、

 

 という形となり、元の単騎とは違うスジのリャンメン(またはペンチャン)待ちが加わります。

(b) 単騎待ちと1つ離して刻子を付ける場合

 これはに対してまたはと付けるときです。
 このとき、

 

 となり、単騎と刻子との間に、新たにカンチャンが作られます。

 このように、スジ待ち以外の複合形を形作るには刻子の存在は不可欠です。

(7)まとめ

 たった4枚でのテンパイ形ですが、いろんな発見があったと思います。
 大ざっぱに言えばこんな感じです。

4枚形の聴牌は10種で、3面張が最大。

順子と刻子の守備範囲は、それらを中心とした5ケン分。

聴牌形に順子を付けるということは、待ちを横に延ばし、同じスジの待ちを加える効果がある。

聴牌形に刻子を付けるということは、今までとは違うスジの牌を待ちに加える効果がある。

 いずれも重要な公式ですので、ぜひ頭の中に入れてください。

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