伏土竜の麻雀戦術論

効率編その4 役の効率

第4章 リーチの効果的利用

第2項 リーチの欠点

  欠点2 相手に確実にテンパイを教える

 相手に確実にテンパイを教えてしまうため、捨ててくれたかもしれない牌を捨ててくれなくなるかもしれず、そのためにアガリを逃すことになる場合があります。
 これは、リーチの持つ逃れられない宿命みたいなものです。
 リーチの利点とこの欠点とを比較した上で、どうしてもアガリが欲しいなら、アガリ点数が多少安くなろうともリーチを避けるべきでしょう。

 もっとも、リーチを避けたときに限ってツモアガリしてしまい、ひょいとウラドラを見たらたくさん乗ってた、なんてことが多いのもまた麻雀ですが……。

  欠点3 供託のリーチ棒を必要とする

 これはオーラスや南三局(オーラスの前の局、を略して「ラス前」と呼びます)での順位争い、特に微差の場合に重要な意味を持ちます。
 仮に、オーラスであなたが2着の人に1900点差のトップだったとします。2着の人は、2000点のアガリで逆転ですから、当然その点数に見合った進行をするはずです。
 ところが、ここでリーチを掛けてしまうと、(リーチ棒を出してしまって-1000点になるので)2着の相手との点差が900点となり、その相手はどんなアガリでもトップになってしまいます。
 2000点をアガるよりも1000点をアガる方が容易なことは自明でしょう。わざわざ自分から相手に塩を送ることはありません
 そのような局面では、不必要なリーチはできるだけ慎むべきです。

第3項 リーチのみの是非

 ところで、「リーチのみだろうとリーチを掛ければ、相手が守備に回ってくれる」という考え方があります。
 相手にリーチを掛けられるとすぐにおびえて守備に回る人に広く信じられているようですが、この安易な考え方は金輪際捨ててください。

 先程も申しましたように、相手の手牌がリーチに対して戦う気がする手牌なら、どんな牌を捨ててでもアガリに向かってきます。もちろんその人からアガリ牌が捨てられるかもしれませんが、そうはならずに相手の反撃にフリコミをしてしまうかもしれません。
 自分の手牌が安くて相手の手牌が高い(リーチに反発してくるのですからある程度の点数のはずです)のですから、典型的なハイリスクローリターンです。
 これを無謀と言わずして何を無謀と言いましょう。

 リーチのみを利用するのは特殊局面の時だけ、と覚えてください。

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