伏土竜の麻雀戦術論

効率編その5 ドラの効率

 全体役であるリーチやピンフ・タンヤオは、1翻を得るために手牌14枚すべてに条件を付けなければなりません。が、たった1枚で1翻に相当する牌があります。ドラです。
 ゆえに、ドラを効率よく使うことができれば、より簡単に手牌を高くすることができますし、できなければ手牌を高くするのにより苦労することになるのです。
 ドラを効率よく使うために、まず2つの原則を覚えてください。

原則1:ドラは多少の苦労をしてでも使い切る
原則2:ドラは、十分形のテンパイまたはイーシャンテンまで絶対に捨てない

 それぞれの原則について、説明しましょう。

 原則1について、ドラを使い切ることには、2つの意味があります。
 1つは、自分のアガリ点数を高くするためです。この点については今さら解説しなくとも十分理解いただけるでしょう。
 もう1つは、自分がドラを使い切ることで他の3人にドラを使う機会を少なくさせるためです。ドラは決まった枚数しかありません。自分がドラを持てば、結果として他の3人にドラが行かないことになり、結果としてアガリ点数を低くさせられます。

 原則2は、自分の手牌にドラを使い切れなくて捨てざるをえないときの原則です。
 十分形とは、他者に対抗できうる手牌のことです。
 対抗できるとは、要するに勝負になるかどうか、ということです。自分がドラを捨ててポンをされたとしたら、その相手はマンガン確定です。そのマンガンに対抗できる、点数の高さか、アガりの早さがあるかどうかと言うことです。

  ツモ

 ツモ

 上の手牌ならば、アガリ点数の高さで対抗できます。下の手牌なら受け入れ枚数の多さ(=アガリの早さ)で対抗できます。

 上記2例のように、何らかの明確な理由がない限りドラは捨ててはなりません。
 たとえ自分がテンパイしていたとしても、そのテンパイがドラを捨ててまでアガリにいく価値があるかどうかを判断してください。その結果アガリの価値がないテンパイであれば、仕方がありませんドラを温存してテンパイを崩して下さい。
 その判断ができるようになれば、ドラをより効果的に使えるようになるでしょう。

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