首都圏で一般的なルールでは、ドラは開局時の表ドラだけではありません。
リーチを掛けるとその人には裏ドラの乗る可能性がでてきますし、誰かが槓をすれば槓ドラと槓裏ドラが増えます。
ですから、これら局の進行中に増えるドラへの対処法も重要な知識です。
ある雑誌が裏ドラの乗る確率を紙上発表したことがありました。
細かな計算式は省かせていただきますが(何せ細かい計算式で、一度見たくらいではとてもじゃないけれども覚えきれなかったものですから)、その結果では裏ドラが乗る確率は約0.31でした。
その計算が正しいとするなら、リーチの1翻は実質的に1.3翻の価値がある、とは言えると思います。
しかし、3割は乗るかもしないとはいえ、それはあくまでも可能性の問題にすぎません。確実に裏ドラが乗る保証はどこにもありません。
ですから、自分がリーチを掛けた際に裏ドラに対して過度の期待を寄せることは禁物ですし、相手がリーチを掛けた際の裏ドラを過度におそれる必要はありません。
裏ドラは、一発やリンシャンと同類の偶然役として考えた方がよいでしょう。
槓をして増えるドラは槓ドラだけでなく槓裏もあるので、槓をする際には「喰い仕掛けをしている人数」に注意してください。
槓をしてドラを増やすと、自分に槓ドラが乗ってパワーアップするかもしれません。その事実だけを見るなら槓はする価値があると言えるでしょう。
けれども、チャンスは他の3人にも同じことです。下手をしたら他の誰かに槓ドラ3枚という破壊力を持った武器をプレゼントすることにもなりかねません。
「そんなことは承知。もしかしたら自分に乗るかもしれないのだから、その辺はギャンブルだよ」
と言う人もいるかもしれませんが、ちょっと待ってください。
確かに槓ドラについてはその通りです。
けれども、槓裏の存在を忘れていませんか?
槓裏を利用するチャンスがあるのは、リーチを掛けた人だけです。
下手に槓をしたがために、リーチを掛けた人に槓裏が乗ってしまうことがあるのです。
ですから、自分がリーチを掛けられなくて(喰い仕掛けをしていて)他にリーチができる人が残っているなら、槓をして他のドラを増やさないようにするべきです。
逆に言うなら、自分も含めた全員が喰い仕掛けをしているなら誰も槓裏を利用できませんから、それこそギャンブルのつもりで槓をするのも良いでしょう。また、自分1人が門前で他の3人が喰い仕掛けをしているなら、自分だけが槓裏を利用できるのですから、暗槓をしてリーチを掛けるのは非常に有効な戦術です。
現代の麻雀でのドラの価値は非常に大きなものがあります。
しかし、ドラが無くてはトップになれないようでは、何のためにさまざまな効率を覚えるのかが解らなくなってしまいます。
ドラは利用するものであって、その存在に振り回せれるものではありません。
これは個人的な見解ですが、麻雀の基本となるさまざまな効率が理解できていないうちは、ドラを使わないで麻雀をした方が良いと思います。
そうすれば効率の重要性、ドラの存在の大きさが理解できるからです。
ぜひ一度、仲間内でこの「ドラなし麻雀」というものを試してみてください。
ドラのありがたみをきっと理解できることと思います。