リーチは、門前でテンパイしている際に、以下の3つの行為を行って初めて成立します。
- 捨て牌を横に置く
- リーチ棒(1000点棒)を出す
- 「リーチ」と発声する。
このうちどれか1つでも欠けていたら、役自体が成立しません。
「どれか1つでもあれば成立する」と勘違いしている人も多いので気を付けてください。
「リーチ後のツモ牌が3枚以下で、普通に進んだなら自分に1枚もツモまわってこない場合にはリーチは掛けられない」ことも覚えておいてください。
ところで、リーチを掛けた際の打牌が他の人のアタリ牌になることがあります。
この場合には、3つの行為の順番から見て、1の段階でフリコミをしたことになりますから、リーチ自体が成立していません。
ゆえに、フリコミをした人にリーチ棒の1000点を払う必要はありません。
この役の成立条件は、「リーチ後、純粋な1巡以内でのアガリ」です。
「純粋な1巡」とは、正規のツモ順で1巡経過することをいいます。
ポンやチーが入って正規のツモ順でなくなると、不純な1巡(純粋な1巡でない1巡)になったことになりイッパツは成立しません(何が純粋で何が不純なんだか解説している筆者でさえよく解らないのですが、このように決まっています)。
ポンやチーでイッパツが消えることは、すでに多くの方が知っていたでしょう。
では、イッパツとチャンカンは複合するでしょうか?
また、イッパツとリンシャンは?
チャンカンは、他の誰かが槓すること自体を妨げる役です。
ですから、純粋な1順内でのアガリと考えて、イッパツとの複合は可能です。
リンシャンは、自分が槓することによって不純な1巡になったと考えて、イッパツとは複合しません。
間違えやすいところですから、注意してください。
先の「純粋な1巡」は、テンホウなどの1巡目が成立条件になる役にも関係します。
ところで、配牌から暗槓してリンシャン牌でツモアガリしたら、テンホウになるでしょうか?
テンホウは、親が配牌を取った時点でのアガリ、が成立条件です。
ですから、リンシャン牌でツモアガリしても、不純な1巡が経過したことになるのでテンホウにはなりません(本物のテンホウよりさらに難しいとは思いますが……。ちなみに配牌から暗槓してリンシャン牌でツモアガリしたこのアガリは、不合理な気もしますが他に役がない限りツモとリンシャンのみです)。
チーホウ・レンホウも純粋な1巡目でのアガリでなければ成立しません。
これは、ダブルリーチを掛ける場合・9種9牌で流局する場合も同様です。
曰く、国士無双は暗槓のチャンカンでもアガれる。
曰く、国士無双はフリテンでもアガれる。
曰く、国士無双は頭ハネされない。
曰く、国士無双は13面待ちならダブル役満である。
……
などなど、ローカルルールには様々な形で国士無双を優遇する処置がありますが、現在一般的なルールでは認められていません。
一般の手牌が暗槓のチャンカンができずフリテンではアガれず頭ハネに泣くように、国士無双も暗槓のチャンカンができずフリテンではアガれず頭ハネされます。また、国士無双は国士無双です。どんなに綺麗な待ちでも点数が倍になったりはしません。
「緑一色にはが入っていなければならない」とするローカルルールもありますが、正式に言うと、この役の成立条件は「の6種の牌だけでのアガリ」です。
ですから、が入っていようといまいと関係ありません。
「四槓子は、4つ目の槓子を作った時点でのアガリ」とするローカルルールもありますが、それは間違いです。
麻雀のアガリの原則は4面子1雀頭です。
四槓子もこの原則が適用され、最後の1雀頭ができなければアガリにはなりません。白砂注:上記の話と類似しますが、一部には「4つ目の槓をした時のリンシャンでツモらないとアガリにならない」というルールもあるようです(よく聞く話ですし、『玄人のひとりごと』にもそういう場面があります)。おそらく「四カン流れ」の定義を勘違いしたものと思われますが、これも間違いです。