早見表を覚えることで、正式計算法から第4段階と第5段階の手間を省くことができました。
けれども、後ろの二段階を省けたにも関わらず、やはり符計算には手間が掛かり、その結果点数計算に時間が掛かることになります。
できることなら、その手間を省きたいと思いませんか?
実は省く方法はあるんです。その方法を紹介しましょう。
第1章で解説したように、満貫以上のアガリについては、符計算をせずに翻数を数えるだけで済みます。
同じように、ピンフ・ピンフツモ(ピンヅモ)・七対子を含むアガリは「固有のアガリ点数」があるので、他にどんな役が複合していようとも翻数を指を折って数えるだけで済みます。
親 | 平和 | 平和ツモ | 七対子 | 子 | 平和 | 平和ツモ | 七対子 |
のみ | 1500 | 2000 | 2400 | のみ | 1000 | 1300 | 1600 |
+1飜 | 2900 | 3900 | 4800 | +1飜 | 2000 | 2600 | 3200 |
+2飜 | 5800 | 7700 | 9600 | +2飜 | 3900 | 5200 | 6400 |
+3飜 | 満貫 | 満貫 | 満貫 | +3飜 | 満貫 | 満貫 | 満貫 |
勘の良い方はもうお気づきかとも思いますが、この表は早見表の30符40符50符の部分とまったく同じです。ですから早見表を暗記してしまえば、この表も覚えたことになります。
テンパネとは、加符要素が12符以上あって基本符から2回繰り上がりをすることを指す麻雀用語です。
28符と30符でアガリ点数は同じ(両者とも、下1桁を繰り上げたら30)ですが、30符と32符とでは異なります。
この「下1桁が0か2か」が、具体的には「加符要素が10符以下か、12符以上か」が点数計算上の大きな問題になるのです。
この点に注目すると、符計算の手間を大幅に省くことができます。
アガリの多くは加符要素が10符に満たず、12符以上になってテンパネになるのは1半荘に1回あるかどうかです。
ですから、加符要素が1つしかない場合、例えば雀頭が飜牌であるとか中張牌の暗刻が1個しかないとかですが、そのような場合には符の計算をせずに、繰り上がりを含めて基本符+10符で計算すれば間違いありません。
見た目にも加符要素が多く「テンパネするかもしれない」と思った時だけ、改めて加符要素をすべて計算して12符以上あるかどうかを確認すれば良いのです。
この「テンパネするかしないか」は、始めは難しいですが慣れてくればそれこそ感覚で判ります。その感覚が身についたら、
「平和形は20符(ツモ)30符(ロン)確定だから簡単で、非平和形は大体30符(ツモ)40符(ロン)。だからとりあえずタンヤオとかチャンタは1300とか5200とか言っときゃいいか」
みたいな割り切りができます(本当にしないで下さい(笑))。
また、やばそう(笑)な形も同時に判ってきます。公九牌の暗刻があったらピピピ、ときますし、槓子があった日にはビビビビビッ! ときます。対々もちょっとやばそうですし、ホンイツもびみょーですよね。
次章の練習問題でもテンパネについて勉強できます。テンパネは面倒なものですが、実際はパターンが限られているのでそんなに難しいというものでもありません。最初は難しいと思いがちですが、慣れれば簡単になるんだと考えて気楽にやってみて下さい。