将棋コラム
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光速の寄せ……? |
Date: 2002-04-07 (Sun) |
木村一基6段は、白砂が応援する棋士の一人である。
書いたらまずいことなのかもしれないので指摘を受けたら即削除するが、まだ彼が奨励会の頃、大学の合宿に参加していただいたことがあるのだ。
平手や駒落ちを、1泊2日であわせて30局以上指していただいた。夜の宴会では酔っ払った大学の人間に「コップいっぱい柿の種イッキ」をさせられそうになっていたりしたが(笑)、その宴会の場で「四間飛車には急戦で100%勝てる」という秘蔵の研究手を披露していただいたりもした。一部しか覚えていないが、あの歩2連打には感動した。
その木村さんの将棋から、とびきりかっこいい(笑)のを。
1図は王位戦。木村さんの棒銀。白砂が聞いたのは確か別の急戦だったんだけど……(爆)。
▲6四金(2図)△7三銀打▲4四飛△6二歩▲7四金△同銀▲5五角△7三金▲7四飛以下先手勝ち。
これは『将棋世界』に載っていたもので(というか結構このコラムは元ネタが『将棋世界』だったりする)、その解説によると先手の指し手は全て詰めろか王手。例えば▲6四金は▲7三銀△同桂▲同金△同玉▲6五桂以下の詰めろだし、▲4四飛も▲7三金△同桂▲8三銀以下の詰めろ。
そうして▲7四飛となったところでは確かに先手勝ちだと思う。まさに光頭、あ、いやいや光速の寄せだ。
ところが……。
上の2図は光速の寄せの第一弾、▲6四金の局面。先にも書いた通り『将棋世界』の解説ではこの手は▲7三銀△同桂▲同金△同玉▲6五桂以下の詰めろということなのだが、△8三玉(3図)とよろけて白砂の棋力ではどう考えても詰まないのだ。
△8三玉に▲5三龍△6三歩▲7三金は△9二玉で詰まない。
また、単に▲7三金と打ってもやはり△9二玉で詰みはない。
▲7二龍△同金▲7三金も△9三玉で王手が続かない。
そもそも▲7三銀△同桂▲同金△同玉▲6五桂という攻め筋がウソなのかもしれないと思っていろいろ考えたが、▲8三銀△同玉▲7五桂△同歩▲7四角も△9三玉で詰まないし、▲7三銀△同桂▲同金△同玉に▲6五桂ではなく▲5三龍としても△6三歩で詰まない。
誰か詰め手順が判る人がいたら教えてほしい。
逆にもし詰まないとすると、光速の寄せ手順に髪抜け……もとい読み抜けがあったことになる。
もちろん勝ったんだしそれでいいんだけど(笑)。
ちなみに、▲7四飛に△7七ととした場合の詰め手順は(多分。すまん、その程度の棋力だ白砂は)以下の通り。
▲7三飛成△同桂▲7四桂△8三玉▲9三金△同玉▲8二銀△8三玉▲7三角成△同銀▲同銀成△同玉▲5三龍△7四玉▲7五銀△同玉▲8六銀△7六玉▲7七銀△6七玉▲6四龍△5六玉▲6六龍△4七玉▲3八金まで。
△7四玉とすると▲4四龍で詰んでしまう、という変化を見せ球に強制的にバラバラにするのが詰め手順の骨子で、▲5三龍以降は易しい追い詰である。しかし、まさか3九香が働くとは思わなかった(笑)。
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