名人戦は４タテという大差での終了となり、挑戦者の森内が新名人となった。
　結果だけ見ると４連勝という大差だが、丸山名人も頑張った……というのが一般的な評になるのかもしれないが、白砂にはそうは見えなかった。ぶっち大差だったと思う。
　第３局こそ大トン死で勝っていた勝負だったと思うが、１局目は研究にはまった格好でなす術もなく負け。２局目は中盤での構想ミス（一手バッタリ、ではなかったと思う）で粘ったものの逆転はなく負け。そして最終の第４局では、中盤の捌きあいでどうやら決着がついていたようで、結局ほとんどが読み負け力負けといった感じだ。これでは実力が違うといわれても仕方がないだろう。

　随所に丸山らしさも窺えたし、実際将棋の質としても最先端最高峰のものだったと思う。その点について両者を糾弾するつもりは全くない。実にいい勝負だったと思う。
　しかし、ちょっと差がつきすぎた。
　そりゃあ箱根に来てくれれば言うことなしだったのだが（笑）、そこまでは望まないにしても、もうちょっと見ていたかった。これはファンとして苦言を呈させてほしい。はっきりとヲタの戯言でしかないんだけど。

　来期、もう一度丸山が名人に挑戦できるかどうかは判らない。何しろ今度のA級は近来稀に見る豊作状態で、誰が名人に挑戦してもおかしくない状態だからだ。
　丸山には頑張ってほしい気もするが、他の挑戦者というのも見てみたい。こうなると、特に丸山ファンでもない白砂には丸山の存在は「その他大勢」でしかなくなる。となると、いいや丸山は出てこなくてとなってしまう（笑）。
　まぁでも、少なくとも、A級順位戦の台風の目のひとつになりうることは間違いない。丸山の奮起を期待したい。

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