将棋コラム


  8五飛戦法の一変化 Date: 2002-03-06 (Wed) 
 8五飛戦法。
 絶対に指さない戦形なのだが、どういうわけだかチェックはしている。いや、指したら面白いだろうなぁとは思うんだけど、8五飛にならないことを考えるとちょっと不安なので、誘導がしにくいのだ(白砂は先手持ちね)。

 さて。
 A級順位戦佐藤−谷川戦。
 正確には8五飛戦法ではないのだが、8五飛戦法で語られている分類だと思う。渡辺流とか言ったっけ、▲8七歩を打たないで8五飛戦法にさせない戦形である。後手が△8七歩と叩いて猛攻を開始する将棋で、先手の佐藤に新手が出た。
 下の局面はそのちょっと前の局面。

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 ここで佐藤は▲8八金と寄った。今までは▲7九金と引いていたようで、それはそれで難解らしい。
 ▲8八金は実戦では初らしいが解説はあるようで、『8五飛を指してみる本』にもあるらしい。それによると、ここから数手進んだ下の局面で▲5六角とし、△7九飛で後手有利だそうだ。
 しかし、佐藤はここで新手を放つ。

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 ▲7九飛。

 なんともうまい自陣飛車だ。
 言われてみればなるほどという手なのだが、白砂のように外から8五飛戦法を眺めているだけでは絶対に出てこないと思う。これ以降も指し手は冴え、佐藤の完勝となったそうだ。

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