デミリッチの多面張理論

第2章 初級編その3

(3)順子系・刻子系テンパイについて考える

 前項のとおり、4枚以下の聴牌形は最大3面張で合計11種類しかないことがわかりました。表にまとめると、以下のようになります。

  順子系

1面張:

2面張:


  刻子系

2面張:  

3面張:

 さて、こうやって聴牌形を並べて待ち牌を見ると、一つの重要な事実が見えてきます。
 それは、

順子系のテンパイは待ち牌が1つかスジ待ちになる

刻子系のテンパイは複数のスジにまたがる

 ということです。
 これはとっても大切なことです。例えば、

 という聴牌形では、が刻子になる形でアガるとき()と、が雀頭になる形でアガるとき()というように、刻子系では3枚持ちの牌の解釈が複数になります。

 この「複数のスジをまたぐことができる」のが刻子形の特徴であり、逆に「順子系はどうやっても1種類のスジの範囲内でしか待てない」ともいえます。
 これは、待ちを把握する点でとっても重要です。

 のような複雑な形でも、刻子に取れる部分は1つもありません。
 という風に、刻子で牌を抜いてしまうと下の方はとなり、ここで待ちを形成することはできない=という刻子のメンツは絶対にできない、からです。
 というわけで刻子がない=順子系のテンパイだと断定でき、となると待ちは1スジの待ちに限られると、実際に待ち牌を考える前に判断できてしまうわけです。ちなみにこの手牌の待ちはですね。

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