前章では、
「順子を作ることを考慮すると、一番効率が悪いのは字牌、次いで1・9、2・8、一番効率がよいのが3〜7」 |
ということを解説しました。
しかし、これはあくまでも原則であって、絶対の原理ではないことも覚えてください。
なぜ絶対ではないのかを本章で解説します。
結論を先に言いますと「喰い仕掛けには鳴きやすさという条件も加味されるから」です。
これはどういうことか?
「対子から刻子を作る」を題材にして、門前と喰い仕掛けでどのような差異があるかを考えてみましょう。
刻子には明刻と暗刻の二種類があります。
が、この2種類では作る過程に明確な差があります。
暗刻の場合、刻子に必要な1枚の牌は自力でツモってこなくてはなりません。
しかし、明刻の場合は他家から出た牌をポンすることによって刻子にすることができます。
「自力のツモに頼るしかない」暗刻よりも、ポンという「他家の捨牌も利用できる」明刻の方が簡単に作れるわけです。
ここまではいいでしょうか?
さて。
ポンができる分、明刻の方が面子を作りやすい、すなわち効率が良いというところまでは判りますね。
ポンをするということは「相手の捨てた牌を利用する」ことです。しかし、相手の捨てた牌を利用するためには、相手がその牌を捨ててくれなければどうにもなりません。
けれども、使用効率の高い牌(例えば3〜7の数牌)は、相手にとっても使用効率が高いのでなかなか捨ててはくれません。結果としてその牌を鳴くことが難しくなるわけです。
つまり、喰い仕掛けという観点から見ると、使用効率の高い牌を鳴こうとするのは「効率が悪い」ということです。
上の考え方は、チーについても言えます。
使用効率の高い牌はなかなか捨てられないので、それを必要とする形、例えばやなどは、端に近いやよりも喰い仕掛けしづらい分、若干作りづらいのです。
自分のツモだけを考えるなら、一番効率が悪いのは字牌、次いで1・9、2・8、一番効率がよいのが3〜7。 |
というのが牌の基本的な効率についての正しい考え方でしょう。