入門編で解説したように、得点の倍々計算は満貫までしか適用されません。
これを逆から見れば、「いくら頑張って満貫以上のアガリをしても、そのアガリには倍々計算が適用されない」=「あまり効率が良くない」のです。
本章の解説に先立ち、まずこの点を解説します。
のテンパイを題材に取ります。
見ての通り待ちのテンパイですが、ドラがないものとして、それぞれロンアガリしたら何点になるかというと、
50符1翻の1600点
50符3翻の6400点
ですね。
では、リーチを掛けたら何点になるでしょうか? イッパツと裏ドラは関係ないものとします。
50符2翻の3200点
マンガンの8000点
です。
でのアガリには倍々計算の法則が適用されアガリ点数が倍になりますが、でのアガリでは適用されず満貫の8000点にしかなりません。
つまり、1翻増やしてアガリ点数を2倍にしようとしても、2倍にならない場合もあるということです。先の例でいうなら、6400点が倍になるどころか1,25倍の8000点にしかなりません。
以上から、倍々計算の上限までがアガリに対する正当な評価点数と理解してもらえると思います。現行のルールでは、4翻でのアガリが点数効率の一番良いアガリなのです。
ここから、
アガリを狙う際には、常に4翻でのアガリを目指す |
という考え方がでてきます。
なお、ここで言う「4翻でのアガリ」は、1翻役×4での4翻でも、1翻役+1翻役+2翻役でも、1翻役+3翻役でも、1翻役+ドラ3だろうと、組み合わせは何でも構いません。とにかく計4翻あれば結構です。
ただし、偶然役はこの計算には含まれません。偶然役はそれこそ、偶然にできたならそれでよい、程度に考えてください。
しかし、実戦では、
オーラスのアガりトップ
誰かの高得点のアガりを阻止する
親で連荘したい
など、どうしてもアガりたい局が存在します。
このような場面・局を「特殊局面」と呼びますが、特殊局面ではアガり点数の多寡は一切関係ありません。アガることそのものが重要だからです。
ですから、特殊局面の場合に限っては、先の大原則「アガリを狙う際には、常に4翻でのアガリを目指す」は無視しても構いません。