伏土竜の麻雀戦術論

対応編その4 相手のアガリ点数を読む

第1章 相手の主体役を読む

  第1項 捨て牌読みの基本的考え方

 まず、相手の捨て牌に対して、「相手がなぜその巡目にその牌を捨てるのか」を考えてください。

 「なぜ」の理由を、論理的に導き出す。
 これが捨て牌読みの本質です。

 とっかかりとして、自分が何かの主体役を狙う際に、どういった順で捨てる牌を選択するかを考えてみましょう。
 最初は、自分の狙う主体役に不要な牌を捨てます。
 徐々に手が整ってくると、必要になる可能性があったけれども使えなかった牌が捨てられます。
 さらに手が進むと、受け入れ枚数や待ちの選択の結果不要になった牌が捨てられます。

 仮にマンズのホンイツを一直線に狙うとしましょう。
 不要な牌はピンズとソーズですから捨て牌にはその2種が並びます。続いて必要になる可能性があったけれども使えなかった牌=場に死んだ字牌・生きている字牌・余ったマンズ、という順の捨て牌になります。

 このように、自分が何かの役を狙うと、不要な順に牌を捨てます。その順に捨てる何らかの理由があるからこそ、その順に捨てるのです。
 自分が序盤に捨てた牌は自分が狙う主体役に必要でない牌であり、自分の手が進んできてから捨てられた牌は自分が狙う主体役に使用可能な牌であり、自分の手が整ってきてから捨てられた牌は自分が受け入れ枚数や待ちの選択をした結果不要になった牌なのです。
 もちろん例外も多くあります。
 しかし、何らかの理由(技術的に未熟である、わざと順序を変えることで読みを誤らせようとしている、などいくつか考えられます)でこの順序を変えない限り、基本的に全ての捨て牌はこの順序で捨てられます

 そして、この点は相手にとっても同じことです。
 自分の方から見れば、何のとりとめもなく並んでいるように見える相手の捨て牌も、相手から見ればそうなる何らかの理由があるからそのような順で捨てられるのです。
 この理由を探ることができれば、相手が何を考えているかを多少なりとも読みとることができるようになります。

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