伏土竜の麻雀戦術論

対応編 総まとめ

 本編では、これまでに解説してきた知識を用いて実戦的にどのようにして対応していくかについて解説します。

 繰り返しになりますが、もう一度。
 相手から攻撃を受けた際にまず考えなければならないことは、守備をするならはっきりと守備をし、反撃するならはっきりと反撃すると、対応を決めることです。
 優柔不断に、あっちにフラフラこっちにフラフラしていたのではいけません。
 現代の麻雀では「攻守の態度の明確化」が一番重要なこととされています。


第1項 ベタオリ

 これは「相手に対してベタベタにオリる」の略で、相手に攻撃を受けた際に一切反撃を考えず、手中の面子を壊してでも安全度の高い牌を捨ててひたすらフリコミを避けるように進行する対応策です。

1 どんな場合に用いるか

 相手に攻撃を受けた際に、自分の手牌がテンパイしそうもなかったり、攻撃を受けた相手に対しての危険牌が手中に複数以上あったりして、自分のアガリの可能性が0かそれに近いと判断した場合。
 相手のアガリ点数が高い(と読んだ)場合。
 オーラスでフリコミさえしなければトップになる場合。

2 利点と欠点

 利点は、フリコミの可能性をできるだけ減らせることです。
 欠点は、いくらベタオリをしても点棒が減るかもしれないことです。
 麻雀にはフリコミをせずともツモアガリされたならなにがしかの点数を払わなければならないルールがあるので、ベタオリをしても点棒が減ることはあります。

3 方法

 相手に対する安全度の高い牌を捨て続ければよいでしょう。
 完全な安全牌がなくなるとフリコミをしてしまう可能性が残ることは、覚悟してください。


第2項 全ツッパ

 これは「相手に対して全部の牌を突っ張る」の略で、相手に攻撃を受けた際に相手に対する守備を一切考えず、ひたすらアガリに向かう対応策です。

1 どんな場合に用いるか

 自分のアガリの可能性か点数が高い場合。
 特殊局面の場合。
 相手のアガリ点数が安い(と読んだ)場合。

2 利点と欠点

 利点は、自分のアガリに結びつく可能性が高いことです。
 欠点は、相手に対してフリコミになる可能性もまた高いことです。
 ですから、うまくいくことがある反面、手痛い出費があることも覚悟してください。

3 方法

 相手に対する守備をまったく考えずに、効率編で得た知識を生かしてひたすら自分の手牌の効率だけを考えればよいでしょう。


第3項 回し打ち

 相手に攻撃を受けた際に、ある程度自分のアガリを考え、相手に対して安全度の高そうな牌を捨てながら自分の手牌を進行させる対応策です。

1 どんな場合に用いるか

 自分のアガリが高くなる可能性があってベタオリはしたくないのだけれども、いまだ2・3シャンテンでそのまま全ツッパするのでは勝負にならないと判断した場合。
 相手のアガリ点数がはっきりとしていなくて、自分の対応を決めかねる場合。
 回し打ちをして手を遅らせても、手牌が高くなる可能性が残る場合。

2 利点と欠点

 利点は、対応の決定を先延ばしにすることで様子見ができることです。
 欠点は、回し打ちをしている間に自分のアガリを逃す(または遅らせる)可能性があることです。

3 方法

 完全な安全牌や安全度の高い牌を捨てながら、自分の手牌がまとまるようなら反撃、まとまらないようなら改めて守備にまわればよいでしょう。


第4項 待ち牌読み

 相手の攻撃に際して相手の待ちを自分の中で仮定し、その牌だけを捨てないようにして手牌を進行させる対応策です。

1 どんな場合に用いるか

 スジの応用が複数重なっていたりして、自分なりに相手の待ちを仮定できた場合。

2 利点と欠点

 利点は、相手の待ちを仮定することで自分なりに安全とみなす牌が増え、ひいては自分のアガリに結びつきやすい点です。
 欠点は、その仮定が間違っていると、フリコミをしてしまうかもしれないことです。

3 やり方

 自分なりに相手の待ちを仮定することからすべてが始まります。
 これができたなら、仮定した以外の牌はすべて安全な牌と考えて、後は全ツッパと同じ要領でよいでしょう。


 どの対応策を取るかは、

・得点の高低 ・受け入れ枚数の多寡
・シャンテン数 ・親か子か

 という基準を元に判断します。

 ここまでの事が判れば、ほぼ対応についての知識は完璧でしょう。
 あとは、実戦でその腕を磨いてください。

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