本項は前項「とりあえず字牌から切る」とセットにして覚えて下さい。やはり第1打を速く切る大事な方法です。
「えーっ、そんなの無理だよ〜」
そんなことはありません。
数牌の並びを理牌しないで理解するというのは難しいですが、字牌が何枚何種類あるかくらいはすぐに判る筈です。
もちろん、それでも理牌された状態に比べればはるかに認識は難しいので、最初のうちは苦労するかもしれません。
例えば、下の手牌で何を切りますか?
答えはのうちのどれかです。
どれでも構いません。
そう。これは前項で例として出した手牌そのままなんです。
同じ形には見えないかもしれません。でも、がある、ということくらいは、なんとなく見えませんか?
最初のうちはなんとなくでもいいです。見逃しちゃうことだってあるかもしれません。例えば、
では何を切りますか?
この手牌ではを切って下さい。
もちろんどれでも構いません。
やっぱり先に出した牌姿です。
でも、わけが判らなくなってを切っちゃってもいいんです。で、後になって理牌してみて
「あああああぁぁっっ!!(泣)」
ということになっちゃったとしても別に構わないんです。
そこで1回の失敗をするよりも、10回相手を待たせる方が罪が深い(?)からです。
みんなのスピードに合わせるためです。まずは多少の犠牲は覚悟で理牌なしで切って下さい。
さて、ここからは少し難しい話になります。
だんだんうまくなってくると、字牌でなく全体像がおぼろげに見えてくると思います。その境地(笑)に至るまでは「理牌なし字牌切り」を実行していくんですが、全体像が見え始めたら、少し別の牌を切ってみて下さい。
例えばこの手牌。
正解はという話は一度したから判ると思います。
でも、慣れてくるとここで
「お、ピンズが多そうじゃん」
「ホンイツかぁ?」
と、全体が見えてくるわけです。
それが見えてきたんであれば、孤立しているを切るのもいいと思います。
例えば、私ならここではを切ります。ではないのはちょっと保険をかけているからで、ひょっとすると普通の手になるかもしれないなぁと考えているわけです。
少し難しい話になりますが、があればとをツモっても使える(メンツになる)ので、は別になくてもいいと考えているのです。もちろんを引いてきたら捨てるしかありませんが、それはそれで仕方なしと考えます。これが「裏目を気にしない」という考え方です。
ここで大事なのは、「孤立しているやを切る」ということがすぐに考えられない場合は切ってはいけない、ということです。
ここは重要です。
前項で私はこう書きました。
(前略)……しかし、気づかない、もしくは気づいたけど打ち方が判らないというのであれば、悪いことは言いません、ここで述べた通りにまずは字牌を叩っ切って下さい。
気づいたけど打ち方が判らないなんて、そんなバカな話はないよなぁ……と思った人、いませんか? これがその「打ち方が判らない」場合です。
なんとなくホンイツだということが判る。だけどすぐには何を切ればいいのか判らない。
ここで「ちょっと待って」では、今まで「理牌なし字牌切り」をしてきた意味がありません。ここは初志貫徹、判らないなら字牌を切って下さい。
はっきり損な打ち方である、という事は否定しません。
しかし、何度も言いますが、「その1回の得」よりも「他での大部分のスピード」を優先した方がいいんです。
雀力がつけば、次第に目が慣れてきて、その場でスパッと最善手が打てるようになります。
その時までは、少しだけ我慢して下さい。