今までの話は、そしてここからの話も納得していただけるものが多いと考えているのですが(←自画自賛(笑))、本項だけは例外です。
でも、敢えて言います。
最初のうちは、他人の捨牌なんてどうでもいいです。
「えーっ、そんなんで勝てるの〜」
勝てません(笑)。
というか、勝率は確かに場をいちいち見ていた方が高くなります。これは確かです。
でも、初級者のうちは、そして特にイーシャンテン(テンパイの一歩前)くらいまでは、場を見なくても十分進行は可能です。心配することはありません。
極論に聞こえるかもしれませんが、麻雀で他者の捨牌が問題になるのはごく一部の場面に限られます。ほとんどの場面では自分の手牌の中だけで十分です。
だから、いちいち場を見て考えるよりは、自分の手牌だけを見てさっさと進行して行きましょう。
「リーチがかかったらどうすんですかぁ?」
無視して下さい。
いや、冗談じゃなくて。
始めのうちは、相手の手牌など全く考えずに自分の手を進めていくことをお薦めします。何度も言いますが、まだまだ貴方は初級者なんですから。リーチに対する受けなんか考える前に、まずは自分の手牌をきっちりと進行させて行くことを覚えましょう。
こんな言葉があります。
麻雀の上達も段階を踏む必要があります。 民明書房刊 『伏土竜の麻雀戦術論』 |
すいません適当に書きました(笑)。
ただ、伏土竜がこういう類のことを書いていたのは確かです。
初級者で、まだ他人にストレスを覚えさせるほどノロノロした打ち方しかできない雀士が、リーチに対して正しく防御できる筈などないのです。ここはそう割り切って、いっそのこと相手のリーチのことはスパッと忘れて下さい。
それでも、雀荘「白砂」のようにイッパツチップがでかく、どうしても振りたくないという場合は、しょうがないですベタオリでもなんでもして下さい。
ただ、ベタオリしてしまうと復活は難しいです。
うまく回し打ちができればいいんですが、この回し打ちというのは伝授するのがなかなか難しい代物です。リーチの捨牌はもちろん、他者の捨牌、そしてそれによる全員の手牌を想像しつつ考えなければいけないわけですから。そんなことはそれこそ正しい攻撃手順を覚えてからじっくりと学ぶことです。
ですから。
この際ですから、リーチもない、誰かが鳴いても気にしないと考えて手牌を進行させていきましょう。
振り込むことも多々あると思いますが、自分がアガれることも多くなる筈です。そうやって何度もアガったりアガられたりしていくうち、段々と麻雀の構造が見えてくる筈です。いろんな戦術を考えるのは、それからでも遅くはないでしょう。
ここからは少し難しい話をしましょう。
自分の手牌の進行は大体できてきた。じゃあ、そろそろ場を見ようかなという頃。
何を見ればいいんでしょうか?
ポイントは、
1.自分の待ち牌の数
2.リーチがかかった
3.鳴いた
くらいで十分です。
「えーっ、それだけでいいんですかぁ〜」
いいんです。
もう一度断っておきますが、ここでは、あくまでも初級者の方が「場を見ない麻雀を卒業できた」レベルを対象に話をしていきますので、もっと詳しく難しい話は「わたせん」ページ等を参照して下さい。
まず、自分の待ち牌の話。
イーシャンテンくらいになると、将来のテンパイはここかな……ということが大体判ってきます。とのどっちががくればテンパイなのであれば、きっと待ちはかのどちらかです。待ちにはおそらくならないでしょう(笑)。
で、この場合、が場にいっぱい出ていたらどうでしょうか? 運良くを引いてテンパイしたとしても、はもうほとんど残っていません。形は両面ですが、待ちは単騎と同じくらいしかない、なんてことになってしまいます。これはあまり効率がよくありませんね。
これを回避するために、じゃあを捨ててしまおう(これを「を嫌う」と言います)、となるわけですが、ここでを切ってしまうとまたメンツをどこかで作らないといけなくなります。イーシャンテンからテンパイになって、その時慌てて方向転換しても遅いわけです。
というわけで、自分の待ちを確認するためには、イーシャンテンのもっと前、リャンシャンテンとかそれ以上前くらいから場を見ておく必要があります。
例えば、
となった時に、将来待ちになりそうなが場に枚数出ているかをを見るわけです。ひょっとしたらよりの方が少ないかもしれません。そうしたら、カンチャンのではなく両面のを切ることになるかもしれません。
自分の手牌しか見ていないと、ここでを切ってしまうわけですね。
もっと馴れてきたら、といった手変わりしそうな牌の数もチェックして下さい。そうすれば、更に精密な確率計算ができ、最善手が打ちやすくなります。
次に、リーチについて。
これは、このように場合分けして考えて下さい。
自分の手がいい場合
自分が負けている場合
→アガりたいから全ツッパ
自分が勝っている場合
→点数を取られたくないからオリ
どちらでもない場合
→自分の手が高ければツッパリ。低ければオリ。
自分の手が悪い場合
→どうせ勝てない。オリ。
いい悪いの基準は、イーシャンテンくらいを目安にして下さい。本当は(自分・相手双方の)手の高さも関係があるんですが、とりあえずは考えなくていいでしょう。
鳴いている場合について。
この場合は、鳴いた牌と捨牌から大体の役を想像します。
といっても難しい役は無理ですから、ホンイツだけ警戒しましょう。
捨牌が鳴いた牌以外の2種類しかなければ、まずホンイツです。
捨牌
みたいな感じだったらまずホンイツと見ていいですね。
色がバラバラで、そして鳴きがポンだったら、一応トイトイを警戒。端っこをチーしたらチャンタ、中張牌を鳴いたらタンヤオドラ絡みと三色という風に、いちいち警戒したらキリがありません。また、トイトイなんかは警戒するだけ無駄ですし、ドラの飜牌を鳴かれた日には何を切ってもアタりそうです。
それぞれに警戒するポイントもあるんですが、そういうことは強くなってからじっくり覚えましょう。とりあえずは判りやすく防御しやすいホンイツだけを考えて、その場合にはその種類の牌(と字牌)を切らないようにして下さい。
このように、場はいくら見てもキリがありません。
ですから、最初のうちは自分の待ち牌だけを確認してみて下さい。そこから先は打牌のスピードが速くなってから見ればいいことです。