50,000Hit記念 白砂青松と読者の4番勝負っ!
■ 第1番 3
第12図は先手が▲4六歩と桂を殺したところです。
これまでは白砂が暴れられるかが勝負でしたが、ここからは逆で、白砂がみなさんの攻めを押さえ込めるかどうかという展開になります。暴れて押し切れればそれに越したことはなかったんですが、△4五同桂がそれを許さない、ある意味「強い手」だったんですね。
△3七桂成▲同玉(第13図)までは当然ですが、ここでどんな手があるか、です。
△1五角は▲2六歩(変化14図)でたいしたことはないですし、△3六歩も軽い手ですが▲同玉と取られて次の手がありません。やはり8二飛と7二金の遊びが痛く、駒不足なんです。
というわけで、
たっくん「遊び駒の活用で、△6四銀」
というのは正しい感覚だと思います。
ここで▲4五歩(第14図)がまたまた勝負手。利かそう、という実戦的な一手です。
第14図で△6五銀があるか、といったところですが、どうでしょうか。
▲6五同金なら、△5三銀と引いておけば角と銀桂の二枚替えながら先手は歩切れ。玉の安全度などを考えれば後手が有望です。よって△6五銀には▲4四歩と突っ込む一手。なにかあるとすればここでしょう。
真っ先に思いつくのは△1五角と出る手。変化14図と違って、駒の補充が見込めるのがポイントです。
しかし、▲2六歩(変化15図)とされるとやはり次の手が難しい。
例えば△7六銀▲4三歩成△4七歩は▲5二銀△3一玉▲3三歩△同角(△同金は▲同と△同角▲4三銀成)▲3二と△同玉▲4三金(変化16図)で先手勝ち。△5四銀も▲6五銀がうるさい。
やはり▲4五歩は利いていたようです。
▲4五歩△5三銀左と追い返し、ここで▲2八玉が渋い一手。
やはり△1五角は常に存在する筋ですし、そもそも3七玉型では強い戦いは望めません。6五の角は取らせて▲同桂とすれば十分に働くという考えでした。
△6五銀▲同桂△5四銀▲4四歩△同歩▲5三銀△1五角▲4四飛△4三銀▲5五銀(変化17図)ともなれば、綺麗に捌けたと言えそうです。ちなみに変化17図から△4四銀▲同銀上△7八飛は▲4八歩△7六飛成▲3三歩。先手はシンプルな形で意外と寄りがありません。
変化はこれだけではありませんし、このあとの手順を考えると、後手としてはこの変化で勝負した方がよかったかもしれません。本譜は△7三桂▲7四角△1四歩▲4六飛△8一飛(第15図)とすっかり落ち着いた展開になってしまいました。こうなると、桂得という実りだけを手にした先手が有利になったと思います。
そして第15図。
ここから白砂の攻めが始まります。