50,000Hit記念 白砂青松と読者の4番勝負っ!

■ 第3番 1



▲7六歩△8四歩▲5六歩(開始図)

 ここからはいわばエキストララウンドみたいなもんで、普段の白砂の将棋とは若干違います。例えば、この将棋で言えば▲7六歩△8四歩には白砂は必ず▲7八金です。
 まぁ、いっぱい指した方が面白かろうという配慮ですね。

 本局の対戦には、「うさぴょん」が名乗りをあげてくれました。
 うさぴょんは、現在フリーのものでは最強クラスの将棋ソフトです。コンピュータ将棋選手権でYSSに勝利した実績もあり、乱戦には強そうな印象があります。個人的には、序盤の定跡の強化と得意戦法に合わせた棋風改善ができればもう一化けすると思っているのですが、それには開発者の棋力が必要となりますので難しいかもしれません。なにしろ、うさぴょんの開発者の一人、うさぴょんの育ての親さんは、将棋ソフト開発者最弱(!?)だそうですから(笑)。
 まぁ、そんな話は別館の方でするとして、対局を始めましょう。
うさぴょんの育ての親
「えへ、途中でマシンが熱暴走しちゃった(爆)。
また明日ー(^^;」
をいこら(笑)

 なんでも、
うさぴょんの育ての親
「ここで指すための「専用」の「うさぴょん」を作ります。
きっと、1手40000秒(笑)くらい考えれば、勝負になるっしょ(笑)」
 ということで、特別チューニングのうさぴょんで勝負していただく予定でした。
 非常に見たかったんですが、まぁ7月の暑い盛りじゃしょうがないですね。

 将棋は△8五歩▲7七角△5四歩▲8八飛と進みます。
 ここでうさぴょんは△6二銀(第1図)と指しました。
 負ければ敗着です。いや冗談ではなく。
 というのも、そっくりそのままおんなじ形の将棋が『島ノート』に出てるんですね。
 細かい変化をすっ飛ばして解説の主変化を追うと、△6二銀に▲8六歩△同歩▲同角△8五歩▲7七角△6四歩▲4八玉△4二玉▲6六角△7四歩▲8四歩△7三桂▲7七桂△6五歩▲同桂△同桂▲8五飛(変化1図)で先手優勢。いろいろと変化もありますが、プロではもうこの形は出ていない、というくらい思いっきり結論が出ている形だそうです。

 

 コンピュータ将棋の一つの限界がここにあります。
 どんなに定跡をぶち込んでも、定跡は日々結論が変わるんですね。それを追っていくのは容易なことではありません。

 せっかくの将棋なんで、うさぴょんにつきあうことにして、古くからある升田式の定跡を進めることにしました。
 ▲6八銀△3四歩▲4八玉△6四歩▲3八玉△4二玉▲2八玉△3二玉▲3八銀△7四歩▲1六歩△1四歩(第2図)。

 次の手から、定跡から離れます。